2021/01/25
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​トランプ政権が残した「台湾救済」という功績​
= NewsWeek_Column_2021年01月19日、 ユーラシアウォッチ 楊海英・本誌コラムニスト(静岡大学教授、日本名は大野旭)


トランプ米大統領がホワイトハウスから去って行くに当たり、改めて彼のレガシーを考えてみたい。その1つが台湾を再び国際舞台に引き戻そうとした戦略だ。

膨張し続ける専制主義国家・中国が世界に与える悪影響をどう防ぐかという課題に取り組むため、アメリカのトランプ政権と安倍晋三前首相は「自由で開かれたインド太平洋」の構築を目指してきた。日本側は当初、安倍自身の意向やブレーンたちの提案に基づき「インド太平洋戦略」と表現していた。この戦略にアメリカ側から「自由で開かれた」との枕ことばが冠されたと、筆者は以前アメリカで聞いたことがある。

しかし、世界に打って出ようとする中国政府は早速「戦略」にかみついた。冷戦思考的な表現だとして日本側に「撤回」を働き掛けたり、親中派を動かしたりした。安倍も親中派の重鎮政治家に配慮するかのように、いつのまにか「戦略」をやめて「構想」にトーンダウンしていた。

菅義偉首相になると、安倍政権が目指してきた地球儀俯瞰外交よりも、内政に集中するようになった。中国・武漢発の新型コロナウイルスによる猖獗(しょうけつ)に対応せざるを得なくなったからだろう。

折しも次期米大統領に決まったバイデン前副大統領の周辺も対中政策の変更案を練り始めた。バイデンはよりソフトな対中路線に舵を切るのではないかと予想されるなかで、菅首相は「自由で開かれた」よりも、「平和で繁栄した」とのフレーズを多用するようになった。彼はモリソン豪首相やASEAN(東南アジア諸国連合)との首脳会議で、安倍やトランプがそろって口にしていた言葉を完全に忘れたかのように振る舞った。

だが、「自由で開かれ」ようと「平和で繁栄」しようと、インド太平洋の要を占めるのは言葉遊びをしている日本ではなく台湾だ。ある意味、世界的な要衝である台湾を国際社会へ復帰させる道筋を修復したことこそが、トランプ政権の大きな功績ではないか。そう考える理由は2つある。

第1に、中国が世界にもたらしたパンデミック(世界的大流行)への対応において、台湾の防疫モデルが先進国より優れていたことは誰も疑わない。トランプ政権は米高官を派遣して台湾の衛生当局と交流し、WHO(世界保健機関)の理念に合った政策を各国に広めようとした。
第2に、トランプ政権は実質的に大使館機能を持つ米国在台湾協会(AIT)の役割を強化し、台湾の防衛力を高めるために武器供与を積極的に行ってきた。また実現はしなかったが、1971年に台湾が国連を脱退して以降初めて、アメリカの国連大使が台北を訪問する計画もあった。



これらの措置は台湾の国際的地位向上とプレゼンス強化のためとみえるが、こうした行動こそがインド太平洋の自由と繁栄、それに安全を保障する戦略ではなかろうか。

インドと太平洋の要衝にある台湾がもし中国に併呑(へ いどん)されたら、一番困るのは日本だ。それにもかかわらず、日本は自ら進んで「戦略」から「構想」に転じ、最近では二大海洋の名前を併記するだけという始末だ。この二大海洋がいかに重要で、そこで何をしたいのかも不明瞭だ。

これらの背景には対中政策で軟化するバイデン次期政権の機嫌を損ねたくないという考えがあるのかもしれないが、最終的に自分の首を絞めるだろう。中国が台湾を「平和解放」したとしても、日本が夢想するこの地域における「平和と繁栄」のために、中国が日本の資源輸入ルートの安全を保障するとは思えず、いわんや自国産石油を気前よく提供するとも思えない。 <2020年1月26日号掲載>
【 関連記事 】 何度も「尖閣に安保適用」を確認する日本がアメリカを疑心暗鬼にさせる
​ https://www.newsweekjapan.jp/youkaiei/2020/11/post-60.php ​

​コラム:バイデン氏の「経済ドリームチーム」、待つのは構造的悪夢​
= REUTERS_Column 2021年1月21日 By Gina Chon
[サンフランシスコ 20日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 新たな米大統領となったバイデン氏率いる「経済ドリームチーム」を、ある種の悪夢が待ち受けている。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が米国のさまざまな構造問題を悪化させているからだ。貧困層はより貧しくなり、社会の片隅に追いやられている人たちはより職を失いやすくなり、失業者の再就職は一段と難しくなっている。

次期財務長官に指名されているイエレン前米連邦準備理事会(FRB)議長、次期国家経済会議(NEC)委員長に指名され、かつては自動車業界の救済に取り組んだブライアン・ディース氏らは、新政権の経済チームの幹部として、非常に大きな仕事を抱えることになる。

Breakingviewsは独自の分析手法でこの経済チーム候補者たちを評価してみた。彼らのこれまでの市場や国際問題、環境、統治などの分野の実績に基づくと、総合得点は130ポイントと、210ポイント満点中、相対的に高得点だ。彼らは今後、こうした能力をさらに総動員することが必要になる。米国社会が抱える根源的な問題は、彼らが切り抜けてきた2008年の金融危機よりも根深いからだ。

米社会の根源的な問題は、新型コロナの広範な接種といった、ニュースの見出しをにぎわす事象よりも奥底の部分で進行している。例えば薬物中毒だ。経済学者の故アラン・クルーガー氏が2017年に発表した研究論文では、生産年齢世代で働けていない米国男性の実に半数近くが「鎮痛剤」を処方されていた。

そして今、米疾病対策センター(CDC)によると、医療での安易な鎮痛剤オピオイドの過剰処方が引き起こしたとされるオピオイド禍は、昨年5月までの1年間に何らかの薬物過剰摂取による年間死亡件数が過去最多を記録した最大の理由だ。

黒人層は以前から貧困率が米国平均より高かったが、昨年12月の失業率は10%近くもあった。家計資産の平均数値の押し上げに貢献してきた働く女性も、コロナの打撃が手ひどい。全米女性法律センターの調査では、昨年12月の雇用は差し引き後で14万人分が失われたが、純減したのはすべて女性だったという。

バイデン氏が先週発表した追加経済対策案は、学校再開に1300億ドル(約13兆4500億円)、子育てに400億ドルを振り向ける。多様な人材が控える同氏のチームはこれにとどまらず、伝統的な金融支援以外にも数々の選択肢を取りそろえ、米経済の「覚醒」につなげることが求められる。



古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 
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Last updated  2021/01/25 05:50:04 AM
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