代替可能な全ての人に

代替可能な全ての人に

2008.05.03
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カテゴリ: 切り抜き

3.返報性のルールで承諾を導くもう一つのやり方として、この基本的テーマの単純なヴァリエーションがある。最初に恩恵を与えてその見返りを期待する代わりに、最初に譲歩して、そのお返しとして相手の譲歩を引き出すのである。これが、「拒否したら譲歩」法あるいはドア・イン・ザ・フェイス・テクニックと呼ばれる手続きであり、相手の譲歩に返報しなければならないという圧力に依存するやり方である。確実に拒否される極端に大きな要請から始めて、次にそれより小さな要求(もともと目標としていた要求)に引き下げる。そうすると、要求の引き下げが譲歩に見られるため、小さな要求を受け入れる傾向が強まる。研究によると、「拒否したら譲歩」法を使うと、相手がイエスと言う傾向が強まるだけでなく、相手がその要求を実行し、将来の同じような要求にも同意する傾向が強まる。

4.返報性のルールを使って私たちの承諾を得ようとする人に対する最善の防御法は、他者の最初の申し出を常に拒否してしまうことではない。むしろ、最初の好意や譲歩は誠意をもって受け入れ、後でトリックだと分かった時点で、それをトリックと再定義できるようにしておくことである。そのように再定義することができれば、受け取った好意や譲歩を返さなければという気持ちになることはないであろう。』
(「影響力の武器」 p93)

書き方によっては、性善説的な価値観を持った人に不快感を与えるような展開も十分に可能だったはずだが、どちらかというとマイルドな文章になっている。
この本を読むと、どうしても「利己的な遺伝子」等の社会生物学的アプローチが頭によぎる。
例えば返報性についても、素人としては現象面以上にその解釈が気になるところだが、その部分を深く掘り下げないあたりが、学者としての強さを感じさせる。






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Last updated  2008.05.03 22:11:32
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