文豪のつぶやき

2005.08.10
XML
カテゴリ: 新撰組
大石鍬次郎は吉村と同役新撰組浪士調役で、新撰組が手を下した人斬りで大石が参加していなかったことはないといわれ、人斬り鍬次郎といわれた。
剣技が優れているというよりも、性格の傾斜した殺人嗜好者でありなによりも殺人を好む。
この時代こういうただ人を殺したい、という人間があらわれてくる。
長州の神代直人などがそうである。口癖は「斬る」である。
尊王とか攘夷とか関係なくとにかく人を殺したい。幕末にあっては高杉を付け狙い、維新では大村益次郎を暗殺し、刑場の露と消えている。
思想も何もあったものではない。
大石は、油小路の血闘では、すでに死んでしまっている高台寺党の隊士をあちこち死体損傷して、土方に咎められている。
この大石の末路の行動が吉村に似ている。
後年、甲州勝沼の戦いで敗けた新撰組ちりぢりになる。このとき大石は何を思ったか武州板橋の官軍本営に百姓の鍬吉になりすまし、旧高台寺党の加納道之助を訪ねた。

昔のよしみで、官軍にいれてもらえないかという。
大石は加納の盟主、伊東を油小路で暗殺、伊東の遺骸を引き取りにきた同志の殺戮を指揮した人間である。その直前にも高台寺党の同志を会津藩邸に誘致して4人を殺している。
加納にとっては、いわば不倶戴天の敵である。
この大石の神経はどういうことであろう。
前回の吉村と通じるところがあるように思える。
大石は結局、加納に痛罵され、武州板橋の官軍屯営で拷問の末、首を斬られている。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005.08.10 15:54:54
コメント(0) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: