文豪のつぶやき

2005.08.21
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カテゴリ: 新撰組
勝沼での最初の交戦は、柏尾山にいる近藤のところからもはっきり見えた。
といっても砲弾一発で粉砕されてしまったが。
無論雨宮らが四散して敗走するのも。
こうなっては土方の援軍を待つことは出来ない。
近藤は決戦を決意した。
かれは京の新撰組以来の同志で配下の尾形俊太郎に陣の前にある数軒の民家を焼かせた。
いざ、戦闘になれば民家は官軍の弾よけ場所になる。
民家が焼かれて、近藤が戦闘の準備をしている間、江戸で徴募してきた数百名のにわか兵が消えている。かれらは勝沼の前線基地が砲弾によって木っ端微塵になったのを見て逃げ出したのである。
残るは新撰組と逃げ遅れたわずかなにわか兵。

後に、西南の役の時、熊本城で西郷軍を一手に引き受け、足止めさせ、敗亡させた鎮台司令官である。
谷は近藤が焼く民家の白煙を見て甲陽鎮撫隊の位置を知った。
谷は隊を三隊に分けた。
一隊は片岡を指揮官に、右手の山に進み、もう一隊は、長谷を指揮官煮左手の山に登る。地形を見るに左右の山は近藤のいる柏尾山より高い。二隊は山上から眼下に見える甲陽鎮撫隊に銃を撃ちかける。
谷率いる本隊は四斤山砲二門を引いて正面から向かう。
やがて戦闘が開始された。
左右の山から銃弾の雨を食らった甲陽鎮撫隊は新撰組十数人残して皆、逃げてしまった。
残った新撰組は不慣れな銃を放り出し、刀を抜きつれた。
やはり新撰組には剣しかない。
近藤を先頭に斬り込みをはじめた。





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最終更新日  2005.08.22 03:11:13
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