文豪のつぶやき

2005.09.04
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カテゴリ: 新撰組
慶応四年4月19日午後、土方率いる幕軍300は突如宇都宮に姿を現した。
土方はその先頭にいる。その隣には猛士、副将の会津藩士秋月登之助。
宇都宮城に拠る、官軍の将、有馬藤太は典型的な薩摩隼人ではあったが、戦慄したに違いない。
幕兵は民家に隠れながら撃ち、また進み、城に近づいた。
やがて、城内から覗く官軍の顔が見えるようになると、土方は、
「かかれい」と声をかけた。
みなそれぞれ銃を放り出し、刀を抜きつれると城内に突撃した。お得意の白兵戦である。
土方らの背後からは、砲が二門援助している。
やがて、城の門が砲弾によって打ち砕かれると、幕軍はなだれのように城内に殺到した。

官軍の彦根兵は城内を逃げまわっているばかりである。
土方は宇都宮官軍の幹部が流山で近藤を捕らえた有馬、香川であることを知っている。
(すでに殺されていることはまだ知らないが)
いわば、仇である。
「有馬と香川を探せ」
探し出して、殺さなければ土方の気がすまない。
午後に始まった戦さは、夜八時になり官軍の退却となった。
松明をかざしながら官軍の群れは城内を引いて北の明神山に向かう。
しかし、土方は兵の中から旧新撰組を集め、執拗にこれを追った。
このとき、土方は逃げる有馬に一太刀つけたといわれるが、命をとるところまで至っていない。
とにかく、土方の宇都宮攻略はひとまず成功した。





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最終更新日  2005.09.04 07:21:04
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