文豪のつぶやき

2008.08.08
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カテゴリ: 人間
 新潟県はもともと農民運動の強いところで戦後まもなくのころは、社会党の議員が多数を占めていた。
 私の伯父は戦争で朝鮮半島に渡り、そこで敗戦を迎え、抑留された。
 ようやく帰国が許されたのは戦後しばらく経ってからだ。
 かれは子供のころからガキ大将的な気性だったので、故郷、新潟の片田舎に帰ると戦争帰りの青年を集め、戦争時かれらをそそのかして戦地に行かせた、村の議員たちの家に日本刀を持って殴りこんだ。
 その後青年団、消防団を作り上げ農民運動を展開しようとする。
 しかし、ここで異変が起こる。
 同郷のかれのほんの数百メートル先の家から、田中角栄という怪物が出現する。
 田中角栄はかれの数年上の先輩である。
 農民運動のために組織された青年団、消防団はそのまま越山会になり、かれの意図したこととはまったく別に進み始める。

 今、伯父は寝たきりの生活をしている。
 かれが見つめる天井にはなにが映っているのだろうか。





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最終更新日  2008.08.08 21:48:19
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