文豪のつぶやき

2016.05.05
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カテゴリ: 人間
先日、友人が都内に面接に行った。
会社は、とあるビルの一室にあった。
ドアの前でベルを押すと、ひなびた中年の男性が出てきて、中に招じ入れた。
社長である。
社長は満面の笑みを浮かべながら、
履歴書、職務経歴書を見ながら丹念に効き、さらに離婚歴のある彼になぜ離婚したのか聞き、彼が正直言に言うとなおも詳しく聞いた。
(こんなことを聞いても仕方ないのに)
と思いながらも彼は答えた。
その時間およそ二時間。


一週間後、夜八時を過ぎたころその社長から連絡があった。
「実は」
と社長は切り出した。
「年齢がねえ」
彼は五十九歳であった。
しかし、それは最初に履歴書を送ったときも、面接のときも、重ねて話したこと。
その旨を言うと、
「ではもう一度面接をします。こちらでお願いするので好きな日時を言ってください」
といいながら、
「明日、朝九時にしましょう」
賃金も安く、社会保険もない潰れそうな小さな企業。


アベノミクスはうまくいっているのだろうか。
一億層活躍には五十九歳は入っていないのだろうか。





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最終更新日  2016.05.05 23:53:40
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