Team C1Master Racing

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FDのトラブルについて



・時々エアコン送風口から何かが燃えているような臭いがする。
・時々どこからともなく冷却水の臭いがする。
・気候、同乗者によって、エンジンの具合が変わる。
・窓がよく曇る。

既に良く知られたことですが、RX-7(FD、FC問わず)はいろいろとトラブルが多いです。
ロータリーエンジンは発熱量が多く、その結果、熱を原因としたトラブルが一番多いように思えます。
おまけにFDの場合ツインターボということでタービンが2つあり、そこも大きな熱源になっています。
部品だけでなく、夏においては乗っている人間も、足元がエンジン熱でかなり熱くなりその結果脱水症状になったりもします。
次に軽量化をしているせいか、長く乗っていると車内外各部パーツの接合が甘くなり、全体的にきしむような症状が出ます。
ここでは私が経験した主なトラブルについて見ていきたいと思います。
長く大切に乗るために、修理はディーラーに任せるのが一番良いと思います。
しかし自分で出来そうな簡単な修理は、時間を見つけて自分でやるようにしています。
ディーラーのメカニックと仲良くなることも大切です。
正確な知識を教えてもらうことも出来ますよ。


症状1:どういうわけか冷却水がどんどん減る。

これはロータリー乗りがほとんど経験するであろう不思議体験だと思います。
どこで消えていくのかわからない。
でも、放っておくと概ね水漏れに発展し、そこで初めていろいろと修理をすることになります。(それまでは修理のしようがない)
私はラジエターアッパーホースの破裂とウォーターポンプを壊しています。
アッパーホースは走っていたらいきなり破裂しました。
ボンネット隙間からモクモクと白煙が出るのですぐにわかります。
それと同時に純正水温計の針が一気に上がり(本当に危険になってからいきなり上がる)、エアコン送風口からクーラントの微妙な臭いが室内になだれこんできます。
ボンネットを開けると、ものすごい勢いで冷却水が吹き出ていました。
エンジン回転を落としながら自走し、何とか駐車場まで戻ることが出来ました(そんなに遠くなかったのでそれが救いでした)。
今までアッパー、ロワホース共に2回ずつ交換しています。
ホース代はそんなにしません。
修理そのものは、1回だけアッパー交換を自分でやって以来、ディーラーに任せることにしています。
実はFDの冷却水交換はエア抜きに時間がかかるので、ディーラーに預けておいたほうが楽です。
余談ですが、ホース破裂がトラウマとなり、乗る前は必ずホースチェックをし、今でも交換水を4リットルくらい常に携行しています。


症状2:ウォーターポンプ故障

ポンプ内の歯車がダメになり異音が出るという話を良く聞きますが、私の場合は歯車ではなくて、ポンプの外に付いているウォーターレベルセンサーの付け根から水漏れが始まりアッセンブリー交換を余儀なくされました。
最初はにじむ程度でしたが、次第に滴るようになってしまいました。
部品代は2万6千円程度ですが、工賃がそれ以上にかかるため、修理代は6万円コースでした。
ウォーターポンプ
中央にある、黄色いシールが貼られたキャップが冷却水を入れるところで、その下の部品全部がポンプです。
細めのゴムホースの下方に配線が出ているのが見えると思いますが、それがウォーターレベルセンサーです。


症状3:サブタンク及びキャップ割れ

これも熱害だと思います。これは簡単な修理で終わります。


症状4:ドアが開かなくなる

大きなドアの上にちょこんとついているアウターハンドル。FDの弱点の一つではあります。
経年でどんどん動きが渋くなり、ついにはドアが開かなくなったりします。
しかも、初期型のはハンドルを手前に引くとキーホールが点燈する仕組みになっています(初期型のみらしい)。
そのせいなのか、ホールを塞いでいるプラスチックもすぐに割れてしまいます。
私のは左右両方調子が悪く、右側のは完全に壊れ、ついにドアが開かなくなってしまいました。
その結果、しばらくは助手席側からドアを開けるという面倒臭いことをすることになりました(降りるときは問題なし)。
部品代は7380円です。交換は自分で出来る範囲ですので、もし壊れてしまったら自分で作業することをお薦めします。
工賃はディーラーで3750円かかります。
アウターハンドル


症状5:ウインドが開かなくなる

これはどのクルマにもある症状かもしれないです。
私のはそのスイッチが壊れ、作動しなくなってしまいました。
スイッチ代は14100円です。
これも自分でできます。
ディーラー工賃だと1500円かかります。
ドアの内側
ドアの内側ですが、取っ手の上にスイッチがあると思います。


症状6:ブースト上がらず

これもFDを長く乗っている人ならば経験済みかもしれません。
ある日突然ブーストが上がらなくなる。
マフラーから白煙を噴いていたり、強烈な異音がタービンからするのであれば、タービンブローの可能性大ですが、そうではないことが多いと思います。
純正の状態であれば、普通に乗ってる分にはタービン本体がくたびれることはあってもブローが早々やってくることは少ないものです。
経年でブローバイオイルがタービンアウトレットから吹くことも多いので(FDは)、つい見かけでも早合点してしまいがちです。
実際にはバルブ関係のトラブルやコンピューター関係のトラブルでブーストが上がらなくなることが多いです。
正圧側にブースト計の針がいかなくなったら、これらをまず疑います。

私の場合は、2回ブーストが上がらなくなることがありましたが、その1つは何ともお粗末な話ですが、アペックスのS-AFCが原因で、ブーストが上がらなくなりました。
このときはマフラーがバスバス鳴り、アイドリングすら危うかったです。
このサブコンは、純正ECUの配線に直接つなぎ、燃料の増減を補助制御するものですが、燃料補正を行うと調子が悪くなるケースがあるようです。
純正ECUと信号争いをしてしまい、うまく作動しないとのことです。
これはクルマの個体差があるかもしれないですが、いとーくんのエボでも同じことが起きていて、結局はつるしの状態ではあまり使えず各車体ごとに本体中身(S-AFC)の基盤そのものを調節しないといけないようです。
結局燃料調整など出来ず、私のもいとーくんのもスロットル開度やエンジン回転表示のための、ただのモニターと化しています。
私の場合、修理は配線を切って、純正ECUから直接ブーストセンサーへ配線をしき直しました。
それによって、S-AFCの燃料補正機能は消失しパーセンテージ表示も常に0.0%、そのブースト表示も750mmgで固まったままであります。
ただ既述のように、スロットル開度表示とエンジン回転表示は何とか生きていて、モニターとして利用しつつ今に至っています。
もう1つの不具合は、単純にブーストセンサーの故障でした。
これは普通にエンジンはかかりましたが、全くブーストがかからなくなりました。
実は修理が面倒臭くてそのまま半年くらい走っていたんです。
そのときは忙しくて走りに行くことも出来なかったですし。
センサー部品代は25600円で工賃は4500円でした。
S-AFC
モニター画面としては中々の優れもの。
表示は、ブースト、エンジン回転、スロットル開度、燃料補正%の4つまで同時に表示でき、任意に各個表示も出来ます。
それ以外には、タコメーター表示や地震計のような表示もすることが出来ます。
今はもうこのタイプは売っていませんが、もし中古で手に入れる方がいましたら、充分注意してください。
当時の販売価格は35000円くらいでした。
なお、私はS-AFCはこのようにステアリングカバーの上に設置しています。
この画像だと純正のタコメーターが見えにくいように感じますが、実際はそうではなく、それをつけていないときと同じくらい普通に見ることが出来ます。


症状7:各種オイル漏れ

クラッチフルード、ブレーキフルード、エンジンオイルの各経路において、経年及び熱の影響からか、漏れが発生します。
部品代自体はそんなにかからないのですが(例えばクラッチレリーズシリンダーインナーキットは770円)、概ね工賃がその10倍近くしてしまいます。
もちろん自分で出来れば良いのですが、重要箇所は専門家に任せたほうが結果として安く済むことも多いものです。
なので私は無理をせず、漏れ関係はディーラーに全てを託しています。


症状8:燃料漏れ

これはFDに限った話ではないのかもしれないですが、極めて重大な問題であります。
そのまま引火につながると、自分だけの話で済まなくなります。
実際にそういう話をたくさん聞いています。
特にFDの場合はエンジンルームが過密状態且つ熱もこもりやすく、タービン周辺など引火のしやすい箇所もあるため、ガソリン漏れは修理に急を要することだと思います。
ただ、暖気のときだけ漏れたりする場合も多いようで、もしガソリン臭がしても場所の特定は案外難しかったりします。
私の場合は、プラグコード中間付近に存在する燃料パイプの付け根から漏れが始まりました。
それもかなりの量で、それがプラグ周辺のエンジン壁に滴り、気化して煙が出るというあまりよろしくない状況となっていました。
でも、既述のとおり、アイドリングのときだけそれが発生するのです。
実はこの燃料漏れが激しくなる半月前に、エンジンルーム内の配線劣化で一部分から出火しており、あのときに大量に漏れていなくて良かったと思いました。
そういうことで、すぐに修理に出しました。
全部交換しようとするとそれこそオーバーホールとなってしまうので、危険箇所は全てチェックしてもらい、そこを修理しました。
部品代は約17000円(値引き)で、工賃は約20000円(値引き)でした。


症状9:ラジエターからの冷却水漏れ

年式の経っているFDに乗っていて、なおかつ純正のラジエターをそのまま使っている方はこのようなトラブルに見舞われることもあるかもしれません。
純正のラジエターはアルミですが、タンクの部分は樹脂製です。
コアの部分が平気でも、樹脂の部分が劣化でひび割れそこから漏れが始まることがあります。
私のFDはその状態になり、ラジエター本体を交換することになりました。
私はアペックスのを入れましたが、ディーラーで社外品のものを注文し装着できるというところも、FD乗りとしてはありがたい限りです。
ディーラーでいつもお世話になっている人と一緒に決めました。
ただ、この話にはオチがあって、2ヵ月後に再び新しいものに交換をすることになってしまいました。
走行中にラジエターからいきなり大量の冷却水が吹き、そのままクルマは停止。
冷却水をほとんど道路に放出するという事態に見舞われました。
実家の近くでしたので、父に助けにきてもらい、とりあえず水を入れ、ガムで穴を塞ぎました。
とりあえず実家の駐車場にはたどり着いたものの、どうしようもなくそのままその地のディーラーへJAFにて搬送。
そして、後日いつもお世話になっているディーラーの人(また登場!)がわざわざローダーで引き取りに来てくれました。
ディーラーの工場で分解されたクルマを見て、私と二人で分析した結果、ラジエターとファンの間に異物が入ったのだろうという結論になりました。
確かにファンも傷だらけだったし、ラジエターコアにもファンで異物をかき回した後がありました。
実際にコアとファンの間のクリアランスはなく、小さなものでも充分コアを傷つける危険はあります。
しかし問題はその異物がどこからやってきたのかということ。
普通に走行しているだけでそういうところには異物は入らないように思えます。
結論として、3箇所の大穴から見て、それは石とかではなくネジではないかということになりました。
私はディーラーでの装着時にそれが紛れ込んだのではないかということを指摘。
何かのはずみでネジがファンと共にかき回され、コアを破壊することになったのでは?と言いました。
ディーラーの人は私の主張にも一理あるとして、レッカー代は無料、修理費用も大幅に値引きすると回答し、私もそれを了承しました。
ということで、再び同じラジエターを装着し、今に至ります。
しかし結局ラジエターを2回連続で交換することになり、その費用は…であります(泣)。
ちなみにラジエター交換工賃は通常は24000円です。
それとラジエター本体は純正よりも、容量アップしている社外品の方が値段的にもリーズナブルかもしれません。


症状10:各種メーター故障

特にオイルプレッシャーメーターの故障が多いようです(ピコピコ動くから?)。
具合としては動かなくなり、メーターフードをぽんぽん叩くと再び作動するとか。
私の場合は、そういう次元ではなく、メーターがほとんど動かなくなってしまいました。
最初はオイル系統の異常か、オイルそのものの劣化かと思っていたのですが、オイル交換後もメーターがおかしな動きをしていたので、まずはメーターの異常を疑いました。
ディーラーでおそらくメーター異常だろうとの診断がなされ、とりあえずメーターを新品にしてみました。
その結果、やはりメーターの故障でした。
取り外しの際、メーターフードも壊れ、それを中古で取り寄せてもらいました。
メーター自体は9750円です。


症状11:配線劣化

これも年式のかなり経っているFDに乗る場合には要注意です。
コネクターから出火することもあります。
私のFDはサージタンク後方にあるコネクターが火を噴きました。
場所によっては危険だし、一部を完全に焼失し配線全部をしき直すとなると莫大な予算がかかります。
常日頃のチェックとメンテナンスが修理費用を最小限にとどめてくれることは言うまでもありません。


これ以外にも大小のトラブルはたくさんあります。
でも、それを差し引いても、FDは魅力のあるクルマであり、ドライブする価値のあるとても素晴らしいクルマだと思います。
FD3S 2005,2
(2005年2月撮影)

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