アリゾナのさぼてん

アリゾナのさぼてん

2011年12月13日
XML
カテゴリ: サイエンス
ヒッグス粒子「存在の兆候つかむ」 欧州研究機関が発表


Particles
図:素粒子の標準理論拡大素粒子の標準理論

ATLAS
写真:ヒッグス粒子の検出に使われた、ATLASの検出器=欧州合同原子核研究機関(CERN)提供


 欧州合同原子核研究機関(CERN)は13日、万物の質量の起源となったとされる「ヒッグス粒子」の探索結果を発表した。素粒子物理で「発見」と断定できる精度ではないが、「存在の兆候がつかめた」との結果が得られた。

 素粒子物理の基準では「発見」の認定には99.9999%以上の精度が必要だ。今回は2チームが観測しており、その精度に及ばないが、いずれも水素原子125個ほどの質量の領域で形跡をつかんだ。データを増やせば「発見」となる可能性が高まった。

 ヒッグス粒子探索は、2008年から観測を開始したCERNの巨大粒子加速器LHCの第一目標。陽子と陽子を衝突させてヒッグス粒子ができるのは、1兆回に1回ほど。できてもすぐになくなるため、衝突で出る光や粒子を観測して、ヒッグス粒子の痕跡を探している。
(asahi.comより)



ヒッグス粒子:「質量の起源」存在確認に手がかり
(http://mainichi.jp/select/science/news/20111214k0000m040094000c.html)

Higgs boson
標準理論が示す質量獲得の仕組み




 ヒッグス粒子探索は、日本の東京大や高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)など15研究機関の約100人が参加する「アトラス」(38カ国約3000人)と、欧米などの「CMS」の2実験グループが別々に進めている。

 両グループは、原子核を構成する陽子を、LHCのトンネル内で走らせて光速近くまで加速、正面衝突させ、特定の条件でできるヒッグス粒子の検出を試みた。条件を満たすのは100兆回のうち100回程度と少ないため検出が難しい。

 アトラスグループの浅井祥仁(しょうじ)・東京大准教授によると、ヒッグス粒子の存在は質量を特定することで確実になる。今年2~10月に集めた500兆回分の衝突データを解析し、その質量が水素原子に換算して116~130個分の間にあると推定。さらに、特定の範囲内のデータがヒッグス粒子由来と判断できる確率は98.9%だった。

 CERNは両グループのデータを「確実な結論を出す量ではない」としており、「確定的」とされる99.9999%を目標に実験を続ける。

 素粒子は物質の最小単位。標準理論では、宇宙誕生直後はすべての素粒子が質量を持たず光速で飛び回っていたが、その100億分の1秒後、温度が下がることで水蒸気が水に変化するような「相転移」と呼ばれる現象が起きたと予測する。

 その結果、空間はヒッグス粒子に満たされ、素粒子には水の中を泳ぐ時のような抵抗が生じた。素粒子の動きにくさを「質量」とみなせば、素粒子が質量を得て現存世界をつくり上げたと説明できるという。【野田武】

 ◇LHC

大型ハドロン衝突型加速器(LargeHadronCollider)の略称。08年9月に完成した。地下に、JR山手線とほぼ同じ1周27キロのドーナツ形のトンネルがあり、1700台の強力な磁石を使って陽子を加速する。光速に近いスピードで陽子同士を衝突させると、ビッグバン直後の超高温、高エネルギーの状態が作り出せる。総建設費は約5000億円。日本の拠出額は約167億円。

毎日新聞 2011年12月13日 23時20分(最終更新 12月13日 23時48分)



ヒッグス粒子:加速器で500兆回の衝突を分析
(http://mainichi.jp/select/science/news/20111214k0000m040096000c.html)

Dr. Asai
「ヒッグス粒子」の検出に向けた研究について説明する東大の浅井祥仁准教授=東京都文京区で2011年12月13日午後9時39分、津村豊和撮影




 ヒッグス粒子を探索することは、物質に質量があるのはなぜかという疑問に迫る一方、謎に満ちた宇宙誕生時の様子を知ることにもつながる。

 宇宙は137億年前に誕生したが、望遠鏡を使った天体観測で探ることができるのは、星の光が地球に到達できる、宇宙誕生後約37万年から現在までに限られる。それ以前の宇宙は高温高圧のガスで満たされ、電子と陽子がばらばらになった「プラズマ状態」だったため、光が伝わらず観測できないのだ。

 CERNにあるLHC(大型ハドロン衝突型加速器)などの装置を使えば、地上では観測できない宇宙誕生直後の状態を再現できる。日本から約100人が参加する実験グループ「アトラス」の浅井祥仁(しょうじ)・東京大准教授(44)が素粒子実験の道に進んだのも、こうした動機からだ。そして宇宙誕生と現在をつなげる鍵であるヒッグス粒子を研究対象に選び、この10年は日欧を毎週往復する日常を送る。

 浅井准教授は会見で「私たちは500兆回の衝突を見た。データがヒッグス粒子によるものと判断できる確率は98.9%だが、(残りの1.1%に当たる)100回に1回は間違えているということ。まだ喜べるレベルではない」と慎重な口ぶり。しかし「7月からほとんど不眠不休。寝なくていいほど楽しく、興味深いデータが得られている」と語った。

 ヒッグス粒子の探索は89年、LHCの前身「LEP」で始まった。その後、米国の加速器「テバトロン」でも試みられたが、いずれもヒッグス粒子を作り出すにはエネルギー不足だった。世界最大の加速器LHCは08年、ヒッグス粒子発見を目的に完成。研究者の期待はLHCに集まっている。【野田武】










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011年12月14日 00時39分16秒
コメントを書く
[サイエンス] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: