イヌやネコの検査や治療に関する最新情報(社長の独り言)

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2009.12.27
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カテゴリ: ネコ
 先に年末の挨拶を書き込んだのに、その後に検査の紹介では、順番が逆ですね。読んで頂いている方、申し訳ありません。すこし御付き合い下さい。

 今月12月より、ネコ白血病ウィルス(FeLV)とネコ免疫不全ウィルス(FIV)の遺伝子検査を開始しました。

 先生方やネコの飼主さんであれば、この二つのウィルスについては良くご存知だと思いますので、ウィルスの話は割愛します。
 現在、この二つのウィルスの検査は、簡易検査でFeLVは抗原検査、FIVは抗体検査が実施されています。「抗原検査」とは、検体(血液)中のウィルス抗原を検査します。従って、現在ウィルスが存在するかどうか(感染しているか否か)がわかります。「抗体検査」とは、検体中のウィルスに対する抗体を検査します。従って、過去の感染の履歴も検出されますので、現在感染しているかどうかはわかりません。(コロナウィルスの抗体検査、と同じです)
 これらの検査は簡易検査ですので、短時間で比較的安く検査できます。

 今回私どもが始めたのは、コロナウィルス検査と同様、リアルタイムPCR法を使って検体中からウィルス遺伝子を定量的に直接検出します。「定量的」ですので、感染しているウィルスの量もわかります。
 上記の簡易検査に比較して感度は格段に良いです。が、検査に時間がかかり、検査費用が高めになります。

 使い方としては、最初から遺伝子検査を実施されることはもちろん良いと思いますが、まずは簡易検査で感染の有無または可能性を確認し、抗原または抗体が陽性となれば、遺伝子検査で実際のウィルス量を検査する、という使い方も良いのではないかと思います。つまり簡易検査を「1次検査」とし、遺伝子検査を「2次検査」として正確に状況を把握するために使う、ということです。また、ウィルス量を検査できるということは、治療によってウィルス量がどう変化していくか、という指標にもなります。効果判定にもなりますね。

 これらのウィルスに対しては、既にワクチンも開発されていますので、飼主さんの義務としてワクチン接種がなされていればある程度発症は防げるでしょうが、現状、ネコのワクチン接種率は20-30%とも言われています(情報が間違っていたらご指摘下さい)。一方で、ネコの場合自由な外飼いが多いことから、感染率は相当高いのではないかと思います。
 また、感染によって免疫機能の低下を招きますので、コロナウィルス感染によるFIPの発症とも関係があるのではないか、という事も言われています。

 未だ情報発信が出来ていませんが、ご興味のある先生方、飼主さんは検討してみてください。

 これが、今年最後の情報発信となると思います。
 お付き合い頂き、ありがとうございました。

 我が家のメタボナナちゃん、クッシングは薬によって大分落ち着いています。
 メタボ改善に餌の量も減らしています。
 そのせいか、我々の食事時になると側によってきて、悲しい声でなきながら涙目で何かを訴えています。あ~、かわいそう、と思いつつ、ここは鬼になって・・・、でも鬼にはなれませんねぇ。これくらいなら、と一つまみ・・・。

  来年もよろしくお願いいたします。(二度目の挨拶ですね)





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Last updated  2009.12.27 18:59:36
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