カクテル紹介の第一回目はブルームーンです。
一時期ブームになったこの洒落た名前のカクテルも、今はあまり頼む人も多くない、(どちらかというと)マイナーなカクテルです。
ではなぜそんなマイナーなカクテルを第一回目の紹介に持ってきたのか、といえば、このカクテルは私にとってもいろいろと思いで深いカクテルだからなのです。
ではまず、レシピから。
| ドライジン | 30ml |
|---|---|
| パルフェタムール | 15ml |
| レモン果汁 | 15ml |
注:分量はあくまで目安です!
レシピを見てわかるとおり、ベースはジンです。
そして、2番目のパルフェタムール、とはいわゆるバイオレットリキュールのことです。クレーム・ド・バイオレットと呼ぶところもあるようですが、中身は同じものだと考えてください。
パルフェタムールはリキュールにスミレの色と香りを添加した、少々変わったお酒です。
このパルフェタムールという名前はフランス語です。英語では Perfect Love 。つまり 完全な愛 という意味なのです。なんでも昔は 媚薬 として売られていたのだとか。
最後にレモンは某○ントリーが出しているようなレモンジュースではなく、きちんとレモンを絞ったものを使いましょう。
私とこのカクテルとの出会いは、友人とのメールのやりとりがきっかけでした。
ある夜、私は帰宅途中に、ものすごく大きく、鈍く赤く光る月を見たのでした。その姿は非常に不気味で、今でも印象に残っています。
ちょうどその時期、私はタイピングの練習もかねて、コンピュータの得意な友人にメール交換をしてもらっていました。
そこで、私はその友人に 「今日はすごく赤くてデカイ月が出ていて不気味な夜だよ」
とメールをしました。
するとその友人は 「それはアメリカでは レッドムーン
って言うんだよ」
と教えてくれたのでした。
なぜかそのレッドムーンという言葉の響きが、私の心に非常に大きく印象付けられました。
それから数年後、私は悪友に連れられ、初めてバーというところに行きました。
そのバーは非常にカクテルが美味しいお店だったのですが、まったくの初心者の私にはいったいどんなカクテルがあるのか想像すらつきません。
そこで家に帰って調べてみると、なんと 「ブルームーン」 なるカクテルがあるではありませんか!
あのレッドムーンと何か関係があるのかと思い、さらに調べてみると、レッドムーンが人間の目の錯覚を利用して起きる心理現象であるのに対して、ブルームーンは大気中の塵が関係して起こる自然現象であるらしい、ということがわかりました。
また英語の慣用句では 「Once in a blue moon」
と言えば、 「めったにないこと」
という意味になるそうで。確かにそんなに頻繁に起こる現象じゃなさそうだしなぁ。
そんな神秘的なカクテルがあるのなら頼まないわけにはいきません。さっそく次の機会に注文してみました。すると出てきたカクテルはこのページの背景色のような薄紫色。「あれ?ブルーじゃないの?!」と思いましたが、よく考えればいくら自然現象でも 「真っ青な月」 というのはちょっとありえないですよね。そう考えると、きっと実際にもこんな淡い紫がかった感じに違いない、と思えました。不思議なものです。
さて、実際に飲んだ感想はというと…味自体は悪くなく、どちらかというと好きな部類に入るカクテルでした。
ただ、あのパルフェタムールの独特の甘さはかなり好き嫌いが出ると思います。
また男の私には少々キレイすぎるようなカクテルでもあります。
このカクテルにまつわるエピソードは数多くあるのですが、今回はその中からいくつか。
実はこのカクテルには、花言葉のように「隠された意味」があるのです。その意味とは 「できない相談」 。
つまり、バーで男が言い寄ってきたときには、女性はこのカクテルをオーダーすればスマートにお断りすることができる、ってわけなのです。
しかし、パルフェタムール(完全な愛)を使って作られるカクテルの意味が、「できない相談」とはなかなか深いと思いませんか。
余談:このカクテルをオーダーしただけでその裏の意味にまで気づいて、スマートに立ち去るような男はいったいどれほどいるのでしょう…。しかもそこまでスマートな振る舞いができる男であれば、女性から断られないような気もするのですが(苦笑)
次に、ブルームーンという現象についてですが、これが諸説様々で今のところはっきりとした見解というものがありません。
一部に 「一月の間に2度満月が出ることをブルームーンと呼んだ」
という説がありますが、これは間違いです。
このあたりの事情も含め、さらに詳しく知りたい方は ブルー・ムーン(Blue Moon) を参考にしてみてください。
おっと、最後に一つ注意事項を。
とても綺麗でスマートなブルームーンですが、意外と強いカクテルです。○ントリーレシピどおり作っても、アルコール度は20~25度。私が飲んだものはかなりドライでしたので、おそらく40度近くあったと思います。男性からのお誘いをスマートにお断りするつもりで、このカクテルを頼んだ、まではいいけれど、 一人で歩いて帰れない…
なんてことになったら本末転倒です。女性の方はくれぐれもご注意を。