ちほの転び屋さん日記

ちほの転び屋さん日記

2007年05月24日
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最初と終わりは期待を持たせる内容なんですが、それ以外の部分は新しい信託法を条文に即して解説しているだけなので、おもしろさ半減。

や、もちろん、新しい信託法の概要を知りたい人にとっては、とてもコンパクトにまとまっているし、具体例も挙げられているので非常に分かりやすいことは間違いないです。でも、そういうことはお役人さんがやればいいことであって、学者である道垣内先生には信託とはなんぞや、ってことを深く掘り下げた本を書いて欲しいわけです。
道垣内先生自身も、信託の技術面だけじゃなく本質論にも興味をもってね、みたいなことを書かれていますが、この本の記述は技術面に偏っているので、この本で本質論にまで思い至るとは考えにくいんですけど。

名著『 信託法理と私法体系 』や『 刑法と民法の対話 』のような内容を日経文庫に期待するのはお門違いですか。けど、たとえ文庫(新書)であっても、最近でいえば、福井健策『 著作権とは何か 』(集英社新書)のような深みのある本もあるんだし。

法律の解説に止めるというのは編集者の意向だったのかもしれませんが、この本で一応義務を果たしたということで、もう一冊『信託とは何か』という本を書いてください。長谷部恭男『 憲法とは何か
ちなみに、長谷部先生の本は、私の読み落としがなければ、憲法の条文は引用されていなかった、というか何条に何が書いてあるということさえほとんど書いてなかったはず。これは、現行の日本国憲法の解説ではなく、憲法ってのはそもそも何なんですか、という本質論を展開されているからだと思います。





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最終更新日  2007年05月24日 12時04分45秒 コメントを書く
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