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2017.08.28
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カテゴリ: 交通
大部屋雑魚寝→豪華船室 フェリーの旅、様変わり

かつて大部屋で雑魚寝(ざこね)といったイメージのあった、フェリーでの船旅が様変わりしている。各社が豪華な船室を備えた新造船を投入。個室を増やし、相部屋もプライバシーに配慮したカプセル型ベッドを導入するなど、多様なニーズに応える。


移動のための交通手段の選び方もずいぶん様変わりした。
確かにかつてフェリーといえば、いわゆる二等船室が大半で、昼であろうと夜であろうと雑魚寝で過ごすのが定番だった。
一等や特等などベッドや個室も用意されてはいたが、一般の航路では超豪華というほどの装備でもなかった。

このあたり、利用者が船に求める要件が変わってきたことの表れでもあるだろう。
かつては安く旅をするとすれば、利用するのは船やバス、あるいは国鉄の座席夜行急行(周遊券で乗れたので)と決まっていた。
ところがJRが多くの夜行列車を廃止したことで、効率のいい夜の移動はもっぱらバスに頼ることになった。
飛行機や新幹線を利用するならば、まだバスの方が安いというのが大きな理由だ。

しかし近年はバスも設備競争が激しく、どんんどん車両は豪華になってきた。

その一方で、これまで移動手段として高価なイメージが強かった飛行機が、LCCの登場で最近では安い移動手段として認識されるようになった。
少々座席が狭かったり、サービスが落ちたとしても、そもそも(国内線の)飛行機の場合乗っている時間もそれほど長いわけではないから、少々狭くても我慢しようということになる。

その一方でバスや鉄道、あるいはフェリーなど、かつては安くて庶民的な移動手段として考えられていた交通機関がこぞって快適指向へと転換しているのが興味深い。
要は利用者の感覚が「高いか安いか」だけでなく、「時間をどう使うのか」にシフトしてきているともいえる。

記事中にもあるが、フェリーに関西を発着して九州方面へ向かう航路が多いのは、やはり瀬戸内海という海上交通の大動脈があることが大きい。
特に瀬戸内海は外洋とは異なり、大きく荒れることも少ないので運航はしやすいし、乗船客もゆったりと船旅を楽しめる条件が揃っている。
常に陸地が見えているので景色もいい。

人口が減少し、高齢化が進む現在、長距離移動は画一的な大量輸送から利用者それぞれの選択肢に応える多彩さが不可欠になってきており、輸送業はどんどんサービス業化が進んでいる。
フェリーもまた、生き残りをかけた乗客獲得競争の真っただ中におり、快適指向は船が持つ良さを最大限に生かす方法論として考えられているのかもしれない。





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Last updated  2017.08.29 01:08:04 コメントを書く


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