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2007.02.03
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カテゴリ: BLマンガ
おおBLの神よ! これまで読まず嫌いだった愚かな私を許したまえ。

確かに、カタルシスコとかステイタスコとか、その奇抜すぎるペンネームだけで嫌ってましたよ、ええ。そりゃタナカスズキとかカメイヨゴロウタとかイナリヤフサノスケとかもいますけどね、ええ。苗字+苗字でも、古い名前でも男名でも、後者はまだ日本語じゃないか。なんてことだどこまで突っ走るBL界! などとは思わなかったが。
所詮、花ゆめ、ASUKA、Wingsどまりのニアフォモしか読んでこなかった自分には、こういう世界が拓けていようとは、想像だにできなかったよ。


『おとなの時間』語シスコ

名作との誉れ高い『ラブ&カタストロフィー』の前に、最新刊(といっても昨夏の発行)のこの「おとなの時間」と「こどもの時間」を読んでみる。
内田かおるや西田東や藤たまきと、それまでの自分だったら読まなかったであろう作家の作品に目覚めて、BL漫画を過去へ過去へと「学習」している最中の自分にとって、まだまだ未踏の原野は果てしないことを実感したよ。

語シスコは完全に大人の腐女子に向けたペーソスあふれるエロ漫画を描いているらしい。いやこの2冊だけではわからないが。
この2冊は少なくとも、コメディを通り越して全編ギャグなんだが、しゅ3や紅蓮ナオミのような設定自体がありえない突き抜けたアホエロではなく、しっかり日常設定で、ひたすら登場人物二人(もしくは一人)の思考回路がエロにしかないという点が面白い。

語さん、4年ほど漫画描いていなかったようで、描き下ろし以外はいずれも5~6年前の作品なんだけど、絵の古さは感じないな。最初からこんな大人絵だったんだな。小野塚カホリや最近のやまだないとを連想するよ。いや、絵が似ているわけではないけれど、はやりに流されることなく独自の画風を持っているという点でさ。ちょっと劇画入っている気もする。


連作となる編集者シリーズ(「Eの悲劇」のEって、誰の名前でもないから「?」と思っていたけど、EditorのEだよな)は、90年代に好きだった作家さん(なのに名前を覚えていないよママン)の短編集に載っていた「働く男」とシチュエーションは同じだ。あれはひたすらシリアスのなかで「ずらし」の技術で笑える作品にしていたけど、こちらはもっと明快。でも作家は鬼畜でもないし、ノンケだった夢見るエディターは健気だし。しゅ3や紅蓮はこの延長にあると思える。

いちばん普通なのが「天然ラブストーリー」で、借金返すためにエロサイトにプライベートを売ってる男と、コンビ二バイトの同僚の話だけど、これは作者がわざと「引いて」描いていることがわかる。はじけたいのを抑えて描いているような。だってこのタイトル……。
「轟音ラブストーリー」って、この人、そもそもタイトルがヘンだ。これは剃毛好き(?)の理髪師の話で、紅蓮ナオミにさらにパワーアップした、テーマがそれのみの作品がある。絶対にインスパイヤされていると見た。男体盛りの技術もすばらしい! あ、今気づいたけど、このタイトルは寝たら起きない受けのことだっ! 奇抜な行動をとるほうに目が行きがちだけど、こっちが主人公か!

「片づけられない男」これもいろんな他作家さんに影響与えていると思う。そもそも榎田さんのルコちゃんと東海林の原型のようにも思える。

「ハートに火をつけて」と「甘いためいき」これが一番面白かった。もう何回笑ったことか。いや、普通のリーマンものなんだけどね。もう要所要所に地雷のようにツボが仕込んであるわけよ。しかもけっこうベタなギャグが。
一人カラオケボックスで偶然出会った高校時代の彼氏といきなりボックス内でやりまくりとか、一緒に暮らそうと自分から誘っておきながらお金に細かいとか、そのマンションに行くとセフレの同僚が裸エプロンで料理作ってたりとか、もう関西ノリのギャグが満載! あまりにツボを抑えているのでもう笑うしかないという。
日常生活設定なのに、二人の頭の中はやりまくることしかないから、登場人物は二人(おまけで1人)だけでいいんだよな。わかりやすい。漫画ならではの面白さかもしれない。倦怠期に入った二人の愛を確かめようと、出張を装った攻めが夜中に部屋に侵入し、受けを目隠ししてせめまくると、出てくる出てくる複数の男の名前! このシリーズ、延々続けられそうだ。
「ロンゲスト・バケーション」これもちょっとヘン。

ほとんどノンブルのついたページがないという、断ち切り線いっぱいにまで書き込まれた画面は、細密にして濃厚で、これはB6どころかA5でも圧迫感ある迫力の画面だよ。B5で読みたかったなあ。

背景しっかり描かれているから、少女漫画というより青年漫画の系譜に連なる絵柄に思える。しっかり骨組みのある身体描くし、人物の手前の手が魚眼レンズ風のデフォルメで描かれたり、なかなか見せ場も心得ている。受けは女顔でも体はしっかり男なのがいい。盛り上がりがなくても筋肉あるってわかるし。あの汗の表現は、「セックスはきれいなもんじゃありませんぜ」という汗と体液の交換という現実を表しているんだろう。これ見て乙女さんたちは現実を知るべきだよな。うんうん。
なんか局部もきちんと描かれているし、多汗症っぽい表現はちょっと画面を汚く見せているけど、端正な男たちの濃密なエッチシーンを20世紀から普通に描いていたなら、そりゃあ内田かおるさんとかは、別の路線を目指さざるを得ないなあと思わせるよ。少なくとも同じ土俵(雑誌)でなくてよかったねと。絵はしゅ3あたりのきれいな絵柄よりはずっと好きだ。お見事。







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Last updated  2007.02.03 13:41:37
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