吟遊映人 【創作室 Y】
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今回、気軽な気持ちでドライブに出かけたのは、『月まで三キロ』の場所である。そうそう、運転してくれたのは我が息子。ペーパードライバーの私が車に乗れるはずもなく、まるで私自身が黒のミニクーパーかブルーのプジョーに乗って、一人優雅にドライブに出かけたかのように思われた読者には申し訳ない。実際に乗ったのは、日産のデイズ、の助手席である。(汗)やれ面倒くさいだの、自分勝手な親を持つと大変だなどとぼやきながらも、目的地まで車を出してくれた息子には感謝しかない。『月まで三キロ』の舞台となったのは、浜松市天竜区月というところである。浜松市天竜区は亡母の故郷でもあり、私も何度となく足を運んでいるところなので初めてではない。とは言え、〈月〉と言う地名があるのを知ったのは、わりと最近のことだ。ナビを確認しながら車をすべらせると、そこは本当に小説で描かれている世界にピタリと一致した。参考にその一部をここに引用する。「あった!!」と、息子と私は同時に声を上げてしまった。〈月 Tsuki 3Km〉と言う道路の案内標識を見つけたからだ。こんなこと地元の人にとってみれば大したことではないのに、よそ者である私には嬉しくてたまらない。心がほっこりするような幸せに、しばし浸るのだった。そのあとついでに(?)と、佐久間ダムまで足を伸ばした。そこが小説で言うところの自殺の名所かどうかは不明だが、私たち以外にも、他県ナンバーの車が停まっていて、何やら楽しんでいるようだった。世の中にはダムの愛好家という風変わりな方々がおられるようで、撮影したり、その場を散策したり、周囲も含めて景色を眺めたり、とにかく堪能するらしい。私もせっかくなので、スマホで佐久間ダムを撮影してみた。さらにはダムを渡って向こう側まで歩いてみると、そこはもう愛知県の標識が立っていた。静岡県と愛知県の境をまたいではしゃいでいる自分は、きっと子どものようだったと思う。(息子が離れたところから生温い視線を送って来るのを知らんぷりする私なのでした)今後はこうして小説の舞台となったところを訪ねてみるのも楽しいのではないかと考えている。時間とお金の都合がついたら、皆さんにも聖地巡礼(?)を楽しんでもらいたい。もしかしたら小説に描かれている世界観に、ヒョイと片足を踏み入れたような高揚感を得られるかもしれない。 (了)当ブログ掲載の小説『月まで三キロ』の要約はコチラをご覧ください♪
2022.02.06
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