白 梅 楼

白 梅 楼

忘れ貝

忘れ貝
 
 
忘れられるのは 嫌だと言った
そして、忘れたほうが いいとも言った
人は 事実を過去にし 忘れることで
やっと 生きてゆけるのだから、と。
だけど 私は許せない
たとえ あなたが許しても
忘れたことの数だけ
私は あなたを愛してなかった気がしてしまう
うすれゆく悲しみに 心痛めて
消えゆく想いに 涙する
すべてが過去になっていく
あなたの声も 顔も 癖も 全部
私は まだ
忘れたくないのに
鉄線

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