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2005.09.23
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さて、この部の出し物は、『平家蟹』『勧進帳』『忠臣連理の鉢植』です。

『平家蟹』、白石加代子のナレーションで始まる壇の浦合戦後の様。平家蟹とは、壇の浦での平家滅亡の時以来、赤い蟹が出没するようになったことから、その蟹のことを人々はそう呼んでにいました。よく見ると甲羅が怒った顔のように見えるそうです。その後壇の浦では、生き残った官女たちが、若い者は遊女に、年老いた者はその日の暮らしに困るような生活で、源氏への恨みは募るばかり。
平家蟹に武将たちの名前をつけて話かけるほどの玉蟲(芝翫)が、妹の玉琴(魁春)が源氏方の那須与市の弟与五郎(橋之助)と恋仲であることを知り、二人の仲を反対し続けていたところ、ある日急に許すと言って二人を呼びだします。そしてついには、二人に呪いをかけた酒を飲ませて殺してしまいます。
その後、平家蟹が導く海へとついて行き、そのまま波に飲まれてしまいます。
歌舞伎というと、よくイヤホンガイドで「ここはお客様の想像力で・・・」と言われるように、背景も簡潔で二次元の世界というものが多いのですが、ここでは蟹の足がリアルに動く様、終わりの波の場面では、立体的に裁たれた布の海、そして波しぶきまで上がり、これがおどろおどろしい呪の場面をより現実的なものにしていました。たいてい客席は明るいのですが、手元の文字が見えないほどの暗い場内に、舞台だけが浮かび上がっている様は、一番恐いのは、おばけではなく生きている人間の怨念なのだと感じた作品です。
作・岡本綺堂、補綴・今井豊茂、演出・福田 逸、美術・高根宏浩、照明・池田智哉

『歌舞伎十八番の内 勧進帳』は、壇の浦での勝利の後、兄の頼朝に見放された義経が弁慶一行とともに都落ちをする途中の関所の、あの有名な場面です。
義経と見破られないよう、家来の弁慶の機転で、無事関所を通過したのだと思っていました。
ところがこの作品では、関守の富樫左衛門は二人の関係を見抜いた上で弁慶の心情をに心打たれて許可をしたのです。その後も情に厚い左衛門の行動に驚かされました。


忠臣蔵外伝『忠臣連理の鉢植』、四十七士の一人のために、命を犠牲にして協力した女性の物語りです。この物語りの後、討ち入りが行われたという、忠臣蔵の外伝です。こういう「世話物」の方が、歌舞伎に馴染みやすいので、全幕はちょっと・・・という方は、 一幕見席 でご覧になってはいかがでしょう。

(歌舞伎座にて)





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最終更新日  2005.09.25 01:33:07
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