《櫻井ジャーナル》

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2009.04.16
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 バラク・オバマ大統領がアメリカをファシズムに導くという主張は言うまでもなく、間違っている。何しろ、ジョージ・W・ブッシュ政権によって、アメリカは既にファシズムの領域へ踏み込んでいるからである。前政権がアメリカをファシズム化したという事実を認めたくない手合いの妄言だということだ。

 ブッシュ政権がある種の容疑者、あるいは捕虜に対して組織的な拷問を繰り返してきたことは否定できない事実である。「拷問」の定義を自分勝手に変えてみたところで、この事実は揺るがない。

 「テロとの戦争」で拘束したイスラム教徒に対して「敵戦闘員」という「御札」を貼り付け、捕虜や容疑者としての権利を認めないだけでなく、暴力的な取り調べを行い、殺してしまったケースもあるとされている。そうした中、バラク・オバマ政権は拷問の証拠を隠滅するのではないかとする声が聞こえてくる。

 実は、スペインの検察当局がブッシュ政権の高官6名、つまり司法長官だったアルベルト・ゴンザレスをはじめ、ジェイ・バイビ-、ジョン・ユー、ウィリアム・ハインズ、デイビッド・アディントン、そしてダグラス・フェイスを起訴しようと動いている。拷問などの証拠が残っていると、本当にアメリカの元政府高官がスペインで起訴される恐れがある。オバマは「ブッシュ的なるもの」を否定する人物として大統領に選ばれたわけだが、支配体制側の人間であることは動かせない。支配体制を揺るがせるようなことは阻止することが要求されているはずだ。

 勿論、アメリカ国内でも特別検察官を任命してブッシュ政権の違法活動を調べるべきだと主張するする人々がいるのだが、権力システムという厚い壁が存在し、その実現を阻んでいる。ブッシュ政権が実行した違法行為は拷問や拉致だけでなく、憲法の規定を無視した盗聴、家宅捜索、拘束などもあり、どこまで事件が広がるかわからない。オバマ大統領を担いだ権力層のメンバーにとってもデリケートな問題だ。内部抗争が一線を越えると権力システムを崩壊させる可能性もある。

 法律を無視した盗聴、捜索、拘束が横行しても「テロ」を防げるなら結構だという人もいるようだが、アメリカでは戦争に反対し、平和を求めている人たちがターゲットになっている。自分たちの利権を維持、あるいは拡大するために不都合な人間や組織を排除する口実として、かつては「アカ」、1970年代からは「テロリスト」というラベルを彼らは貼っているだけのことである。

 ブッシュ政権の政策を否定しているはずのオバマ大統領でも越えられない一線がある。下半身のスキャンダルなら大金をつぎ込んで調べても、権力システムの闇を暴くことは許されない。その事実を有力メディアは無視する。何しろ彼らも権力システムの一翼を担っている。「リベラルなメディア」?そんなもの、アメリカにも日本にも存在しない。「左翼メディア」など幻影にすぎない。





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最終更新日  2009.04.16 13:11:03


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