《櫻井ジャーナル》

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2010.07.17
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 ジョージ・W・ブッシュ政権以来、アメリカを「法治国家」と呼ぶことはできなくなった。2001年9月11日に航空機がニューヨークの高層ビルの突入し、ペンタゴンも攻撃された結果、憲法は機能を停止したのである。「愛国者法」と称する戒厳令が布告されたのである。

 そのひとつの結果として、被疑者と弁護士との会話を捜査当局が自由に盗聴できることになった。テロリストに資金を提供したわけでも、あるいは武器を渡したわけでもないのだが、盗聴を妨害したという口実でリン・スチュワートという弁護士は逮捕され、2005年には懲役2年4カ月という判決を受けている。この判決に納得できないスチュワートは上告したのだが、15日に懲役10年という判決が言い渡された。

 彼女が弁護を引き受けていたシェイク・オマール・アブデルラーマンは、1993年に世界貿易センターが爆破された事件の容疑者。アメリカの支配層から見れば、自分たちに刃向かう「不埒な輩」、つまり「テロリスト」。ブッシュ政権は、こうした人々を「軍人」とも「犯罪者」とも認めない。「敵戦闘員」というラベルを貼ることで、捕虜として扱われる権利も、犯罪者として裁判を受ける権利も奪ってしまった。戒厳令の国になったのである。スチュワートは戒厳令に抵抗する象徴的な存在だった。彼女への厳罰攻撃は、「テロリスト」の弁護を許さないという権力者の恫喝とも言える。

 アメリカで戒厳令の準備が本格的に始まったのはロナルド・レーガン政権の時代、つまり1980年代の前半のこと。20年近くの間、研究した成果が愛国者法だ。それだけの準備期間がなければ、あれだけ早く作り上げることは不可能だっただろう。(この戒厳令プロジェクトはきわめて重要なテーマだと考え、次に予定している著作では詳しく説明するつもりなのだが、筆者と同じ意見の出版社はまだ見つかっていない。)





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最終更新日  2010.07.18 03:09:52


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