《櫻井ジャーナル》

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2010.09.04
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 しつこいようだが、イラクでの戦闘をアメリカ軍は終えていない。助言と支援のために残っているという5万のアメリカ軍は戦闘を継続している。

 ジョージ・W・ブッシュ政権が先制攻撃を始めるにあたり、当時の国防長官、ドナルド・ラムズフェルドは3カ月でアメリカ軍を5万人にすると言っていたので、やっとその水準に到達したと揶揄されているのだが、このうち4500名は特殊部隊だそうで、相変わらずの「掃討作戦」を展開するのだろう。イラク市民にとって、平和は遠い。

 しかし、少なからぬアメリカ人は本当に戦争が終わったと思っているらしい。残念ながら、これは事実に反している。アメリカ人を錯覚させた一因はネットワーク局NBCの報道にあったらしく、罪深い。

 Foxニューズの世論調査によると、アメリカが主導した軍事侵攻によってイラク人の状況が良くなったかどうかという質問に対し、71%が良くなったと応えている。ちなみに、2004年3月が74%、05年1月が59%、05年7月が64%、06年3月が59%だ。バラク・オバマ大統領の宣言も影響して上昇しているわけだが、低い数値でも59%だとは驚く。「戦争は正しかった」と思いたいのかもしれないが、それにしても恐ろしい感覚だ。中間選挙までこの目眩ましが有効だったとしても、その後の反動でオバマ政権は苦しむことになりそうだ。

 ニューヨーク・タイムズは国務省が傭兵を2700人から6000~7000人に増強すると報道しているが、全体でも増えると見られている。正確な数字は不明だが、伝えられているところによると、国防総省の下で活動中の傭兵は現在、1万1600名。つまり、正規軍が5万、国務省が2700、国防総省が1万1600で、合計すると6万4300名ということになる。国防総省が国務省と同じように傭兵の数を増やすならば、総兵力は9万に近づく可能性がある。

 これは以前から指摘されてきたことだが、傭兵には大きな問題がある。免責特権を持ちながら、アメリカ軍の指揮系統から外れているのだ。アメリカ軍の兵士なら、不十分とはいえ、軍隊内部に犯罪を取り締まるシステムは存在しているのだが、傭兵の場合は制御システムがないに等しい。オバマ大統領でさえ、傭兵たちが銃を乱射し、市民を撃ち、反米感情を高めていると語ったこともある。

 こうした傭兵を供給しているXe(かつてのブラックウォーター)のような会社や武器や兵器を提供している戦争ビジネスと決別し、ネオコンの戦略を捨て去らない限り、イラクやアフガニスタンの泥沼から抜け出すことはできない。それが不可能ならば、アメリカはソ連の二の舞になる。





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最終更新日  2010.09.05 01:46:39


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