《櫻井ジャーナル》

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

寄付/カンパのお願い

巣鴨信用金庫
店番号:002(大塚支店)
預金種目:普通
口座番号:0002105
口座名:櫻井春彦

2010.09.14
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 バグダッドから約80キロメートルの地点にある村で、アメリカ軍の「非戦闘部隊」が武装勢力と交戦し、イラク人兵士ひとり、警察官ひとり、そして反政府軍の兵士ひとりが死亡したと報道されている。先週にはバグダッドの基地が攻撃され、その際にアメリカ軍が戦闘に参加したとされているので、「最後の戦闘部隊」がイラクを離れてから少なくとも2度、アメリカ軍は戦闘に参加したことになる。予想通りと言えるだろう。

 イラクの現政権の権力基盤は脆弱であり、アメリカ軍を頼りにしている。2016年まではアメリカ軍がイラクに駐留するとイラクの国防大臣は発言しているが、その後も傭兵を使いつつ、アメリカ軍は居座ると見通している人が少なくない。アメリカの正規軍や傭兵たちが存在している限り、非武装のイラク人も殺され続け、反米感情は高まる。つまり「抵抗運動」は続き、アメリカの戦争ビジネスは儲かり、庶民は戦費負担に喘ぐことになる。さまざまな形で日本も負担を強いられるだろう。日本もアフガニスタンやイラクでの泥沼化した戦争に引きずり込まれていくと覚悟しなければならない。

 こうした戦争の実態をアメリカのメディアは隠してきた。いや、開戦の下地を作るために偽情報を撒き散らし、戦争が始まると「インベッド(埋め込み)」方式、つまり軍の管理下で取材することで「大本営発表」を続けてきた。積極的に戦争へ荷担してきたのである。アメリカの尻を追いかけている日本のマスコミはアメリカよりも状況は悪い。つまり宣伝機関色が濃い。

 こうしたメディアの醜態を明確にしたのが内部告発サイトのWikiLeaks。当然、アメリカ政府は敵視、潰そうとしている。そうした最中、同サイトのスポークスパーソンを務めていたジュリアン・アッサンジをスウェーデンの警察/検察当局が締め上げている。

 8月20日に警察の求めに応じて「臨時検事」が逮捕令状を出し、スウェーデンのタブロイド紙が警察のリーク情報に基づいて「事件」を報道するのだが、その翌日には主任検事のエバ・フィンが令状を取り消した。ところが、9月1日に検事局長のマリアンヌ・ナイが主任検事の決定を翻し、捜査再開を決めている。しかも、捜査資料が全てメディアに流されてしまう。

 この事件を胡散臭いと感じる人が少なくない理由のひとつは、「被害者」とされる女性アンナ・アーディンの背後関係にある。

 この女性はウプサラ大学の研究学生で、メディアに関する会議での講演をアッサンジに依頼したスタッフのひとりだった。その際にアッサンジはアーディンのアパートに泊まってセックスをしているのだが、数日後に彼は別の女性とも床をともにしている。アーディンは男に対する「法的な復讐」を主張するフェミニストだと言われ、「二股」を掛けることは許さない。

 また、彼女のいとこ、マチアス・アーディンはスウェーデン軍の中佐で、アフガニスタンで活動しているスウェーデン軍の副官を務めているという。アメリカが主導するアフガニスタンやイラクでの戦争にとって邪魔な存在であるWikiLeaksを排除したいとマチアスや軍の仲間たちが考えている可能性は十分にある。

 9月19日にスウェーデンで選挙が予定されていることも注目されている。戦争に賛成している現政権と平和を訴える社会民主党と緑の党が争っているのだが、WikiLeaksが反戦派を後押しする形になっていることは否定できず、現政権にとっても邪魔な存在だ。この選挙が今回の騒動の一因になっていることもありえるだろう。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010.09.14 11:32:55


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: