《櫻井ジャーナル》

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2010.11.01
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 アメリカでは中間選挙が間近に迫り、民主党と共和党が激しい宣伝合戦を繰り広げているようだが、そうした中で注目されているのが「ティー・パーティー」と称する集団。キリスト教系カルトを背景に持ち、必然的に親イスラエル派が目立っている。支持層は白人の中間層だ。その資金源は、政策を知れば自ずと推測できる。ジョージ・W・ブッシュ政権と同じように、巨大企業/大富豪たちである。

 ヨーロッパ系の石油/化学会社は温暖化対策に反対する議員へ24万ドル以上を提供、ティー・パーティーも恩恵に浴している。そのうち総合化学会社のバイエルが10万8100ドル、巨大石油企業のBPは2万5000ドルを提供しているのだが、こうした企業よりも注目されているのが石油で財をなした富豪のデイビッドとチャールズのコッチ兄弟。21万7000ドル以上を出したと報じられている。

 2008年の大統領選挙でチャールズ・コッチはジョン・マケイン候補を支援し、プロパガンダの資金を提供している。メディアは大儲けしたということでもある。この同じ年にデイビッド・コッチはリンカーン・センターのニューヨーク州劇場ビルを現代的にするため、1億ドルを寄付したという。

 コッチ兄弟の政治的な目的は明確。税金を徹底的に引き下げ、社会福祉を最低限のレベルにして、企業への規制、特に環境規制をなくしていくべきだと考えている。健康保険制度の改革に反対しているほか、大気汚染に対して口うるさい気象学を否定している。気候変動に関する規制に反対する団体への2005年から08年にかけての資金提供では、あのエクソンモービルをも上回っている。2005年とは、京都議定書が発効した年である。

 このコッチ兄弟の主張を代弁しているのがティー・パーティーなのだが、このコッチ一族の歴史をさかのぼると奇妙な事実に突き当たる。1920年代に石油産業へ乗り出すのだが、巨大企業からビジネスを妨害される。そして1930年代、兄弟の父親、フレッドはソ連のエンジニアを訓練し、15の近代的な石油精製施設を同国に建設する手助けをしているのだ。

 後にヨシフ・スターリンと仲違いしてアメリカへ戻っているが、スターリンと一時期、仕事をしていたことは間違いない。1958年になると、フレッドは「超保守」と形容されているジョン・バーチ・ソサエティの創設に参加することになった。

 フレッドが死亡し、チャールズとデイビッドの代になるのは1967年のことだ。1970年代から90年代にかけてメロン財閥のリチャード・メロン・スケイフが情報機関の人脈を活用しながら、軍事強硬派を資金面から支えていたが、コッチ兄弟の立場も似ているようだ。

 その後、兄弟は経済学者のフリードリッヒ・フォン・ハイエクに接近する。ハイエクはイギリスの首相となるマーガレット・サッチャーと親しく、このサッチャーにミルトン・フリードマンを紹介して「新自由主義経済」を世界に蔓延させる道筋を作ることになる。

 こうしてみると、共和党/ティー・パーティーが資金面で圧倒しているように思えるが、民主党にも有力な資金源が存在している。投機ビジネスの世界に君臨、一時期は旧ソ連圏を乗っ取る作戦の最前線に立ち、「人権擁護団体」のHRW(ヒューマン・ライツ・ウォッチ)のスポンサーでもあるジョージ・ソロスだ。






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最終更新日  2010.11.02 03:57:25


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