《櫻井ジャーナル》

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2010.12.16
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 60億ドルというLNG(液化天然ガス)プラントの建設にからんだ汚職事件でディック・チェイニー前副大統領はナイジェリアで告発されていたのだが、ハリーバートンが2億5000万ドルを支払うことを条件に、告発は取り下げられた。この交渉ではジョージ・H・W・ブッシュ(シニア)とジェームズ・ベーカーという「旧保守」の大物が石油利権を守る目的で動いたと報じられている。この件ではハリーバートンの子会社だったKBRは昨年に有罪を認めている。

 言うまでもなく、政治とビジネスは深く結びついている。チェイニー、ブッシュ・シニア、ベーカーたちに限った話ではない。今年7月にOMB(行政管理予算局)の局長を辞任したピーター・オルツァグが近く、シティー・グループの幹部に就任するのだという。現在、アメリカや日本では富裕層の税負担を軽減し、庶民から税金を搾り取ろうとしているわけだが、そうした政策を促進させるためにオルツァグの「転職」は有効なのだろう。

 カネ儲けのためなら政策を動かすことも珍しくはない。アメリカや日本の産業界は儲けの邪魔になる環境規制に反対で、「地球温暖化」など絶対に認めない。事実かどうかなどということは関係ない。カネ儲けの邪魔だから環境保護に反対するわけである。

 本コラムではすでに書いたことだが、石油産業で巨万の富を築いたチャールズ・コッチとデイビッド・コッチの兄弟は、2005年に発効してしまった「京都議定書」を潰すために多額の資金を投じている。つまり、「温暖化否定説」はこの時からメディアにとって、カネになるネタになった。コッチ兄弟は2008年の大統領選挙でジョン・マケイン候補を支援している。

 コッチ兄弟は環境問題だけに興味を持っているわけではない。税金を徹底的に引き下げて富裕層の負担を軽くし、社会福祉を最低限のレベルに引き下げて貧困層を苦しめ、企業への規制、特に環境規制をなくしていくべきだと考え、健康保険制度の改革に反対している。大気汚染に対して口うるさい気象学を否定している。当然、気候変動に関する規制にも反対している。

 テレビ、新聞、雑誌などは、金づるのスポンサーの意向に添った「報道」をする。日本では銀行や自動車会社に対して特に臆病だ。融資を止められれば倒産してしまうし、巨額の広告料を支払っている企業の機嫌を損ねるわけにはいかない。アメリカではFoxニューズのビル・サモン副社長がスタッフに対し、気候変動に対する疑問を広めるように放送しろと指示するe-mailを出している。COP16(気候変動枠組み条約第16回締約国会議)で日本が京都議定書の延長に反対すると叫び続けたのも、アメリカや日本の産業界の意向を受けてのことだろう。





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最終更新日  2010.12.17 12:39:53


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