《櫻井ジャーナル》

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2011.04.12
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カテゴリ: カテゴリ未分類
ルイス・ポサダ・カリレスという「テロリスト」がアメリカで無罪放免になった

 1976年10月6日にキューバの旅客機、CU-455便がバルバドス沖で爆破されて73名が犠牲になっている。この旅客機はガイアナからキューバへ向かっていたのだが、途中、トリニダード、バルバドス、そしてキングストンに立ち寄ることになっていた。バルバドスを飛び立って9分後、高度約5500メートルのところで爆破されたのである。

 爆破から数時間後、トリニダード当局はふたりのベネズエラ人を爆破容疑で逮捕している。ふたりはトリニダードで爆弾を仕掛けた鞄を機内に持ち込み、バルバドスで下りてトリニダードへ戻っていた。

 取り調べの中で浮かび上がったのがポサダ・カリレスとオルランド・ボッシュ。工作はポサダらの命令だったとふたりのベネズエラ人は証言したのだ。10月14日にポサダらはベネズエラのカラカスで逮捕され、その際に武器、爆発物、無線機も押収されている。ポサダが住んでいたベネズエラのアパートでは、キューバ航空の時刻表などが見つかった。この爆破計画をポサダはCIAに知らせていたとされているが、勿論、キューバ政府にこの情報は知らされていない。

 ポサダとボッシュはベネズエラで起訴されるのだが、1985年に脱獄し、すぐにCIAのフェリックス・ロドリゲスと会っている。ロドリゲスは当時の副大統領、ジョージ・H・W・ブッシュと親しく、コントラを支援する秘密工作で重要な役割を果たしていた。ポサダもコントラ支援工作に加わっている。

 もうひとつ、ポサダが注目されている理由がある。彼が持っていたワシントンDCの地図には、1976年9月に暗殺されたチリの元外相、オルランド・レテリエルの移動経路が書き込まれていたのだ。この暗殺をCIAも事前に知っていた疑いがるのだが、そのときの長官はジョージ・H・W・ブッシュ。レテリエル暗殺にポサダらが関係していた可能性は高いと考えられている。

 ポサダらの活動は1990年代に入っても続く。例えば1994年にはキューバのフィデル・カストロの暗殺を企て、94年と95年にはホンジュラスで軍の右翼将校に協力して十数回の爆弾事件を起こし、97年にはキューバのホテルやレストラン、11カ所を爆破している。

 1994年とは別のカストロ暗殺計画をパナマ当局が暴き、2000年11月にポサダは逮捕された。2004年4月に8年から9年の懲役が言い渡されたのだが、特赦となっている。その翌年の3月にはメキシコ経由でアメリカへ不法入国し、アメリカへ「亡命」を求めた。



 ところで、2006年3月にジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)は演説の中でこんなことを言っている。「テロリストを匿い、食事を与え、寝床を提供する人間はテロリストと同じだ。」やはり、アメリカは「テロ国家」だった。





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最終更新日  2011.04.12 14:27:13


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