《櫻井ジャーナル》

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2011.10.14
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 イラン政府が駐米サウジアラビア大使を暗殺しようとしたという話を、どうやら、ホワイトハウスや司法省の高官たちは信じていなかったようである。ワシントン・ポスト紙のコラムニストでCIAと緊密な関係にあるというデイビッド・イグナチウスによると、 そうした判断を覆させたのがネオコンに近いと言われているデイビッド・ペトレイアスCIA長官

FBIの示している筋書き によると、イラン系アメリカ人で中古車のセールスマンをしているマンソール・アルバブシアとコドスの隊員だというゴラム・シャクリが暗殺の依頼をした相手はメキシコの麻薬業者。この人物はDEA(麻薬取締局)の「情報屋」で、CS-1と呼ばれている。アルバブシアは痕跡が残る形で約10万ドルをある銀行口座に送金、しかも麻薬業者に暗殺の依頼主についても説明している。

 ところで、メキシコの場合、麻薬業者と政府は表裏一体の関係にある。1980年代までのメキシコは麻薬業者に支配された国だとも言われていた。

 形式上、麻薬取引を取り締まる政府機関はメキシコにもある。1947年にはFBIの協力でDFS(連邦安全保障局)が創設されているのだが、その直後からFDSは麻薬業者との関係を深めていく。麻薬業者はDFSに守られ、DFSはCIAに守られているという構図ができあがったのである。

 1981年にミゲル・ナサル・ハロDFS長官がサンディエゴで起訴されている。盗難車を密輸した容疑だったが、この起訴にCIAとFBIが介入し、ローウェル・ジェンセン司法次官が司法手続きを中止させてしまう。こうした介入の事実を明らかにしたサンディエゴの検事、ウイリアム・ケネディはその直後に解雇された。

 1985年にはDEAの捜査官がメキシコで殺され、CIAとDFSが麻薬業者の幹部を保護している事実が浮かび上がり、DFSは消滅したのだが、カルロス・サリナス政権ではDFS出身のフェルナンド・バリオスが内務大臣に選ばれている。要するに、メキシコの麻薬業者の背後にはCIAの影がチラチラするのだ。

 それはともかく、イラン政府がサウジアラビア大使を暗殺しようとしたとする 出来の悪いシナリオをホワイトハウスや司法省が信じるようになったのは、CIAやほかの情報機関が集めた情報のせい

 どれほど怪し気な話でも、今回の起訴によってアメリカとイランとの関係は悪化する可能性が高い。この両国の関係を悪くすることを願う第三国が暗殺話の仕掛け人だという見方もある。候補国はサウジアラビアとイスラエルだろう。アフバブシアが二重スパイだという可能性も指摘されている。この事件は思いもかけない展開になるかもしれない。





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最終更新日  2011.10.15 02:46:30


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