《櫻井ジャーナル》

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2011.10.26
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 ムアンマル・アル・カダフィがシルトの近くで反カダフィ軍に拘束され、リンチを受けた上で殺されたのは10月20日のこと。 シルト市内でヒューマン・ライツ・ウォッチは処刑された53名のカダフィ軍兵士の死体を発見 さらに300名近い死体も発見された 。いずれも後ろ手に縛られ、頭部を撃たれているので、反カダフィ軍によって処刑されたと見られている。

 現在、反カダフィ軍の主力はLIFG(リビア・イスラム戦闘団)。 アメリカの当局からテロリストだと見なされている組織だ 。今回、LIFGは米英仏軍の手先としてカダフィ体制の打倒に協力したが、早くも暴力的な本性を見せたわけである。

 反カダフィ軍はアフリカ中南部の出身者を敵視、「傭兵」という名目で片っ端から拘束しているようだ。 国連は反カダフィ軍が約7000人を拉致、不当に拘束していると批判 しているが、そのうち少なからぬ人がアフリカ中南部の出身者だと見られている。

 国外へ脱出せず、リンチを受けた上でカダフィは殺されたわけだが、その過程で反カダフィ軍の残虐性が明らかになっただけでなく、米英仏軍の傀儡にすぎないことも露見してしまった。国民評議会はNATO軍の撤退を先に延ばすように求めたというが、今の状況を考えれば当然だろう。リビア国民が「解放」を喜んでいるという単純な状況ではない。

 カダフィの処刑をアメリカのメディアは露骨に喜んでいるが、 ヒラリー・クリントン国務長官もテレビカメラの前で大はしゃぎ 「1%」の富裕層に富を集中させる不公正なシステムに抗議する行動を暴力的に排除 している。

 ソ連軍が撤退した後に内乱状態になったアフガニスタンを統一するためにアメリカの支配層はタリバンを使って安定させようとした。その思惑通り、タリバンは1996年に首都のカブールを制圧したが、その際の残虐行為は有名だ。そのタリバンをアメリカはコントロールしきれずに現在に至っている。リビアでも似た展開になるかもしれない。

 経済システムが破綻しているアメリカ。これまでアメリカは支配システムを築くために経済侵略と軍事力を車の両輪のように使ってきた。経済侵略の行き着く果てには「自由貿易」がある。この経済システムに支配された国では一部の支配層を除き、大多数の庶民は貧困化して社会は破壊される。勿論、アメリカの大企業は大儲けである。

 単純な略奪だけでなく、そうした経済システムを押しつけるためにも軍事力は使われてきたのだが、そうした手口はすでに広く知られていて、機能しなくなっている。結局、軍事力の行使は戦争ビジネスを儲けさせるだけで国家を衰退させる。不公正な政治経済システムに対する抗議も暴力で封印しようとしているようだが、逆効果。暴力に頼りはじめた体制に未来はない。





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最終更新日  2011.10.27 02:22:37


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