《櫻井ジャーナル》

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

寄付/カンパのお願い

巣鴨信用金庫
店番号:002(大塚支店)
預金種目:普通
口座番号:0002105
口座名:櫻井春彦

2013.04.15
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 ウゴ・チャベス大統領の死を受けて行われたベネズエラの大統領選挙で、チャベスと同じ支持母体のニコラス・マドゥロが勝利した。投票前、55%以上を獲得すると予想されていたが、実際の得票率は50.7%。ライバルでウォール街の傀儡と言われるエンリケ・カプリレス・ロドンスキは49.1%で、その差はわずかだ。カプリレスの陣営は例によって「不正」を主張、全て数え直せと要求している。

 かつて、選挙監視団の一員としてベネズエラの選挙に立ち合ったジミー・カーター元米大統領はベネズエラの選挙を世界で最善と表現していた。選挙妨害だけでなく、怪しげな投票システムで行われているアメリカとは雲泥の差だ。最近では電子投票システムが導入され、投票数の操作は容易になったと言われている。

 それはともかく、今回の選挙で2候補の得票が接近していたことは確か。マドゥロに反対する人がそれだけ多いわけで、国の運営は難しくなるだろう。しかも、マドゥロにはアメリカ政府、つまりアメリカ資本という敵が存在する。チャベスの敵でもあった。

 チャベスが初めて大統領に就任したのは1999年のこと。2001年から2期目に入るのだが、その年にアメリカでも大きな出来事があった。ジョージ・W・ブッシュが裁判所の力を借りて大統領になったのである。この選挙で不正が行われたとする声は消えていない。

 ブッシュ・ジュニアの周辺にいたグループの中から チャベスを排除するためのクーデター計画 が出てくる。実行部隊の中心は、ネオコンでイラン・コントラ事件のも登場するエリオット・エイブラムズ、キューバ系アメリカ人で1986年から89年にかけてベネズエラ駐在大使を務めたオットー・ライヒ、そして1981年から85年までのホンジュラス駐在大使で、後に国連大使にもなるジョン・ネグロポンテ。ジェームズ・ロジャーズ中佐の関与も指摘され、クーデターの際、アメリカ海軍がベネズエラ沖で待機していたという。

 結局、このクーデターは失敗に終わるのだが、最大の理由は 事前にチャベスが計画を知っていた ことにある。当時、OPECの事務局長を務めていたベネズエラ人のアリ・ロドリゲスからの情報だった。

 イスラエルを支えているアメリカに対する石油の禁輸をリビアとイラク(言うまでもなく、この2カ国はすでに潰された)が計画、それに対してアメリカはそれまでに練り上げていたベネズエラでのクーデター計画を実行に移す可能性があるとロドリゲスは伝えたという。ベネズエラの油田を押さえれば、中東からの石油が減少しても対応できるということだったようだ。



WikiLeaksが公表したアメリカの2006年付の外交文書 によると、大統領選を睨み、ベネズエラを不安定化させる計画を立てている。まず「民主的機関」、つまりアメリカの支配システムに組み込まれた機関を強化し、チャベスの政治的な拠点に潜入し、チャベス派を分裂させ、アメリカの重要なビジネスを保護し、チャベスを国際的に孤立させるという内容だった。

 今回の選挙の直前にもベネズエラを不安定化する計画があったが、これはボリビアの軍と治安機関が摘発したという。エル・サルバドルの傭兵がベネズエラを不安定化させる目的で活動していたようだ。また、コロンビアからゲリラ戦のために入っていた戦闘員を逮捕したとも発表されている。コロンビアの戦闘員はベネズエラ軍の制服を所持、プラスチック爆弾のC4も携帯していたという。

 これでアメリカ資本がベネズエラ、そして南アメリカをあきらめるとは思えず、今後も自立/独立をめぐる厳しい戦いが続きそうだ。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2013.04.16 05:04:11


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: