《櫻井ジャーナル》

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2013.04.17
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 大統領選の終わった ベネズエラで緊張が高まっている 僅差で敗れたエンリケ・カプリレス・ロドンスキは投票数を数え直すように要求 、ニコラス・マドゥロは応じる構えを見せたのだが、作業を待たずに カプリレス派は街頭での示威活動 を始めたのだ。混乱の中、すでに7名が死亡したとも伝えられている。アメリカの国務省もカプリレスの動きに呼応し、選挙結果を受け入れないと宣言した。

 これまでアメリカの支配層は自立/独立への道を進むベネズエラを不安定化させようとしてきた。前にも書いたことだが、今回も投票の前、ベネズエラを不安定化させる目的で雇われたエル・サルバドルの傭兵がボリビアで摘発され、コロンビアからゲリラ戦のために潜入した戦闘員もベネズエラで逮捕されたと言われている。コロンビアの戦闘員はベネズエラ軍の制服を所持、プラスチック爆弾のC4も携帯していたという。

 今回の選挙は、ウゴ・チャベスの後継者を自認するマドゥロとチャベスとの決別を主張するカプリレスの対決だった。チャベスはアメリカの巨大資本と対立、そのネットワークを中東やアフリカに広げていた人物で、アメリカの支配層にとって許し難い敵。その路線を止めさせるため、アメリカ政府が肩入れしているのがカプリレスだ。つまり傀儡。

 バルカンにしろ、リビアにしろ、シリアにしろ、アメリカの体制転覆プロジェクトは大使館が司令部。ロシアでもウラジミール・プーチンの体制に反対、 「西側」から支援されている勢力がモスクワのアメリカ大使館に公然と出入り している。

 大使自身が中心的な役割を果たすこともある。例えば、ユーゴスラビアの解体とグルジアの「バラ革命」ではベルグラード駐在のアメリカ大使だったリチャード・マイルズ、最近ではシリア駐在アメリカ大使、ロバート・フォード。この人物はシリアで戦闘が始まる直前、2010年12月にシリアへ赴任している。リビアに駐在、領事館が襲撃された際に殺されたクリストファー・スティーブンス大使も体制転覆プロジェクトに関わっていたと見られている。



 その高官とは、 ネオコンでイラン・コントラ事件のも登場するエリオット・エイブラムズ、キューバ系アメリカ人で1986年から89年にかけてベネズエラ駐在大使を務めたオットー・ライヒ、そして1981年から85年までのホンジュラス駐在大使で、後に国連大使にもなるジョン・ネグロポンテ だ。

 このクーデターは事前に情報がチャベス側に伝えられていたため、失敗に終わる。その当時、 OPECの事務局長を務めていたベネズエラ人のアリ・ロドリゲスから知らされた のである。

 このクーデターは中東と深く結びついていた。リビアとイラクがアメリカに対する石油の禁輸を計画、対抗してアメリカはベネズエラの石油を確保するため、計画していたクーデターを急遽、実行することにしたというのである。

 2006年にもクーデターが計画されている。 WikiLeaksが公表したアメリカの外交文書 によると、大統領選を睨み、ベネズエラを不安定化させる計画を立てているのだ。「民主的機関」、つまりアメリカの支配システムに組み込まれた機関を強化し、チャベスの政治的な拠点に潜入し、チャベス派を分裂させ、アメリカの重要なビジネスを保護し、チャベスを国際的に孤立させるとしている。

 この構図は現在も基本的に変わっていない。いや、中東/北アフリカの不安定化が進む現在、ベネズエラの価値が上がっている。しかも、2011年にチャベス政権はベネズエラにサウジアラビアを上回る石油埋蔵量があると発表している。

 1953年にイランのムハマド・モサデク政権を倒したクーデターから現在に至るまで、アメリカの体制転覆プロジェクトは「デモ」から始まっている。リビアやシリアではそのデモを弾圧、多くの死傷者が出たという話に展開するのだが、実際に住民を殺していたのは「西側」や湾岸産油国が送り込んだ傭兵だった。

 ベネズエラでも傭兵が拘束されているが、ほかに潜入した戦闘員がいないとは言えない。ラテン・アメリカでも「アラブの春」を繰り返し、どちらの候補が勝っても、マドゥロ(チェベス)派を装って殺戮を始め、再びラテン・アメリカをウォール街の「裏庭」にしようとしている可能性がある。





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最終更新日  2013.04.18 01:07:40


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