《櫻井ジャーナル》

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2013.04.22
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 4月15日に米国マサチューセッツ州ボストンで 爆弾が炸裂

 爆発はマラソン大会のゴール・ラインの近くであったのだが、レース前、その近辺には黒いバックパックを背負い、キャップを被った人びとがいた。警備/傭兵会社の人間だと見られていたのだが、実際は州兵だったようだ。その近くに爆発物探知犬がいたとするモビール大学でクロス・カントリーのコーチ、 アリ・スティーブンソン の証言と考え合わせると、事前に爆破計画に関する何らかの情報を警備当局は入手していた可能性がある。

 実は、容疑者のひとり、タメルラン・ツァルナエフを FBI は遅くとも2年前に事情聴取している。「イスラム過激派」を支持している疑いがあると 外国政府(ロシア)から警告 されてのことだ。この年、タメルランはダゲスタンに滞在、その際にチェチェンも訪れて武装勢力の幹部、 アミル・アブ・ドゥジャナ(別名、ガジムラド・ドルガトフ)に会った とも推測されている。昨年1月から7月にかけてロシアを訪れたともいう。

 こうした背景がある以上、FBIが1度の事情聴取で終わらせるはずはない。何しろ、アメリカの捜査機関は、戦争や環境汚染に反対している人びとを「テロリスト」だとして監視、捜査の対象にしているほどだ。容疑者兄弟の母親によると、FBIは3年から5年前から兄のタメルランを監視、彼を「過激派」のリーダーだとしていたという。しかも、爆破事件から射殺されるまでの間に兄は FBIから電話

 チェチェン系の兄弟が容疑者になって以来、チェチェン=イスラム=「テロリスト」だという話が流れている。ネオコン(親イスラエル派)系の上院議員、リンゼイ・グラハムやジョン・マケインは兄弟をジョージ・W・ブッシュ政権のように「敵戦闘員」と呼んでいるが、つまり公開の場で証言させたくないということだろう。

 米英の情報機関、つまり MI6やCIA はロシアを揺さぶるためにチェチェンの反ロシア武装勢力を支援、同じように、ネオコンはACPC(チェチェンの平和のためのアメリカ委員会)などの団体を通して支援してきた。こうした事情がジョハルの口から飛び出すことを懸念しているはずだ。

 先日、ロンドンで死亡したボリス・ベレゾフスキーもチェチェンの武装勢力と結びついている。彼はボリス・エリツィン時代のロシアで巨万の富を築いた人物だが、チェチェン・マフィアを暴力的な背景にしていた。そのグループは反ロシア勢力ともつながっている。

 反ロシア勢力をグルジアのミヘイル・サーカシビリ大統領も支援してきた。彼は2003年の「バラ革命」で実権を握ったのだが、その黒幕と言われているのがグルジア駐在のアメリカ大使だったリチャード・マイルズ。ベルグラード駐在大使としてユーゴスラビアのスロボダン・ミロシェビッチを倒した後、2003年にグルジアへ移動している。

 2008年8月にグルジア軍はサーカシビリ大統領の命令で南オセチアを奇襲攻撃した。そのグルジア軍を訓練してきたのがアメリカとイスラエルの傭兵会社。 イスラエル の会社、「防衛の盾」は2001年から予備役の将校2名と数百名の元兵士を教官としてグルジアへ送り込んだほか、無人飛行機、暗視装置、対航空機装置、砲弾、ロケット、電子システムなどの武器/兵器を提供している。

 サーカシビリ政権にはふたりのイスラエル系閣僚がいた。ダビト・ケゼラシビリ国防大臣(2006年から2008年)とテムル・ヤコバシビリ再統合大臣(2008年から2010年。その後、駐米大使)。ともにヘブライ語を操ることができる。それだけグルジアはイスラエルとの関係が深いということであり、サーカシビリの言動はイスラエルの影響を受けているということだ。

 南オセチアへの奇襲攻撃はイスラエル軍の作戦に基づくとロシア側は主張しているが、ロシア軍の反撃で軍事侵攻は失敗する。結果だけをみて「無謀な作戦」と言う人もいるが、背景を考えるとそうとは言えない。

 ベレゾフスキーたちエリツィン時代に登場した富豪は多くがイスラエル系であり、当時のロシアは半ばイスラエルに支配されていたようなものだった。その勢力を抑えつけているのがウラジミール・プーチン。そのプーチン体制を倒し、再びロシアを手中に収めるつもりのように見える。

 チェチェン、グルジア、コソボなどの状況を見ると、ネオコン/イスラエルとイスラム武装勢力(アル・カイダ)が手を組んでいることがわかる。1970年代の末にズビグネフ・ブレジンスキーが始めた中央アジアでのプロジェクトには、アメリカのほか、パキスタン、イスラエル、そしてサウジアラビアが加わっていた。

シーモア・ハーシュ によると、2007年の段階でアメリカはイスラエルやサウジアラビアと手を組み、スンニ派の武装グループを利用してシリアやイランに対する秘密工作を始めていた。勿論、スンニ派の武装グループはアル・カイダと重なる。

 ボストン・マラソンでの爆発事件では当初、サウジアラビア出身の学生、アブドゥル・ラーマン・アリ・アルハルビが容疑者とされた。4月17日にはサウジアラビアのサウジ・アル・ファイサル外務大臣がワシントンを訪問、バラク・オバマ大統領らと会談したという話も流れている。この人物からも、まだ目を離すことはできない。





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最終更新日  2013.04.23 17:13:57


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