《櫻井ジャーナル》

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2013.05.12
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 マルコムXの孫、 マルコム・シャバズがメキシコで殺された

 殺される3カ月前、イランで開かれる「ハリウッド主義」に関する会議に出席するためにテヘランへ向かおうとして マルコム・シャバズはFBIに逮捕されている 。理由も告げられないまま拘束されたのだ。

 会議への出席を阻止することがFBIの目的だったと見られているが、遅くとも2012年の初頭からFBIはシャバズの監視を続けていたという。つまり、今回の殺害はFBIの監視下で実行された可能性が高い。

 労働運動の活動家と会うためにメキシコを訪れていたという情報が正しいなら、シャバスは新自由主義経済/純正資本主義と闘っていたことを示唆する。テヘランの会議に出席しようとしたのも、欧米の「帝国主義」に反対する立場があってのことだろう。

 祖父のマルコムXも単に人種差別に抗議していたわけではなく、資本主義を批判していた。「強欲」を肯定、強者が総取りする経済システムは差別問題とも結びついているわけで、当然のことだろう。

 公民権運動の象徴的な存在だったマーチン・ルーサー・キング牧師も人種差別に反対しただけでなく、貧困問題に目を向け、戦争に反対していた。マルコムXが攻撃的だったのに対し、キングは非暴力の立場だったが、徐々に 考え方は接近 していく。



 デタントを打ち出していたリチャード・ニクソン大統領がウォーターゲート事件で失脚した後、副大統領からジェラルド・フォードが大統領に昇格すると、新世代の好戦派が台頭してきた。

 つまり、ジョージ・H・W・ブッシュを象徴とするCIAの好戦派、ロナルド・レーガンのようなキリスト教原理主義者、イスラエルを第一に考えるネオコンがスクラムを組み、イスラエルやサウジアラビアとも結びついた。1970年代の終盤から始まるアフガニスタンでの秘密工作でも、この同盟は機能している。(ブッシュはエール大学時代にCIAからリクルートされたと言われ、遅くともケネディ大統領が暗殺されたときにはCIAの幹部だった。)

 アフガニスタンで戦争が始まる直前、ソ連軍と戦わせるためにCIAはイスラム武装勢力を組織する。その「データベース」としてアル・カイダ(基地、ベースという意味)が生まれたとも言われている。

 レーガン政権は憲法の停止を目論み、COGプロジェクトを始めた。このことは本ブログで何度も書いた。これは一種の戒厳令で、クーデター計画だとも言える代物。そのプロジェクトは2001年9月11日の出来事を切っ掛けにして、「愛国者法」という形で具体化している。その後のファシズム化も計画通りなのだろう。

 そして現在、中東/北アフリカでは、ネオコンを中心とするアメリカ、イギリス、フランス、トルコ、イスラエル、サウジアラビア、カタールなどが連合し、欧米資本の利益に反する体制を暴力的に転覆させつつある。こうした動きをマルコム・シャバズは批判していた。祖父のような存在になる可能性が出てきていたのだが、その前に祖父のように殺されてしまったわけだ。





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最終更新日  2013.05.13 01:25:57


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