《櫻井ジャーナル》

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2013.08.01
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 モンサントが開発した遺伝子組み換え(GM)作物で「想定外」のことが起こっているらしい。例えばネキリムシの駆除効果があるというBtコーンの耐性があるネキリムシが早くも出現、自然界で自生することはないとされていたGM小麦がオレゴン州で見つかっている。これが現在の「科学的知見」の実力だ。

 自然界ではありえないGM種子をモンサントは商品化しているのだが、この種子が安全かどうかは不明。いや、危険性を指摘する研究もある。例えば、フランスのカーン大学の研究チームが200匹のラットを使い、ラットの寿命に合わせて2年間にわたる実験を行った結果、モンサントの遺伝子組み換えトウモロコシ「NK603」を食べたり、除草剤「ラウンドアップ」と接触したラットのグループに腫瘍を確認、臓器にもダメージが見られたという。

 こうした腫瘍の多くは18カ月をすぎてから発見されているのだが、欧州食品安全機関に所属する委員会は2009年、90日間(3カ月間)のラット実験に基づいて「従来のトウモロコシと同様に安全」としていた。遺伝子を組み換えた種子の影響が現れる前に実験を終了させている疑いもあるだろう。そうでなけらば、国民の生命に関わる問題で、これほど短期間の実験しかしなかった理由がわからない。

 よく知られているように、モンサントは1970年代まで化学会社だった。最初の商品は人工甘味料のサッカリンだったようだが、1940年代には核兵器開発プロジェクトのマンハッタン計画に参加、ベトナム戦争でアメリカ軍が使った枯れ葉剤のエージェント・オレンジを生産していたことでも有名だ。

 1962年から71年にかけてアメリカ軍は約7600万リットルの枯れ葉剤を散布、赤十字の推計では、先天性障害を持つ15万人の新生児を含め、300万人のベトナム人が被害を受けたという。

 PCBもモンサントの商品で、アメリカで使われていたPCBの99%は同社製だったという。PCBはその毒性が理由で1976年に禁止されるが、約40年にわたって同社のPCB工場はアラバマ州のアニストン・クリークへ廃液を垂れ流し、水がしみ出ているようなゴミ埋め立て地に数百万ポンド(1ポンド=0.454キログラム)のPCBを捨てていた。そうした行為が環境を破壊している事実を1960年代に同社は知っていたようだが、外部には秘密にしている。

 こうした現実を考え、化学会社からアグリビジネスへ大きく舵を切る。この大転換を演出したのがベイン法律事務所。担当者は1977年に雇われたばかりのミット・ロムニー。当然、この若手弁護士もモンサントの暗部を知っていたはずだ。

 昨年、そのロムニーは共和党の大統領候補に選ばれた。場合によっては、モンサントの旧友が大統領になるところだったわけだが、大統領選挙では現職のバラク・オバマが勝利する。

 しかし、オバマ政権にもモンサントの人間が入り込んでいる。モンサントの元副社長、マイケル・テイラーが2009年にFDA(食品医薬品局)コミッショナーの上級アドバイサーとなり、10年には新設の副コミッショナーに就任したのだ。

アカデミ (かつてのブラックウォーター)のグループと契約したようで、南ドイツ新聞によると、 アメリカ陸軍情報部からの協力 を得ているという。ベトナム戦争で「枯れ葉剤」と称する化学兵器を供給した会社であるモンサント。軍とつながるのは自然だ。

 そのモンサントが現在、浸食しようと狙っている国が日本。これまで輸入食品を規制してきたが、GM作物を使っているかどうかを表示できないようにするなど、TPPを利用して規制を外し、自社商品を売り込む下地を作ろうとするだろう。ヨーロッパに対してもGM作物を受け入れるように圧力を加えているが、日本よりも遙かに手強い。「市場拡大」はまず日本からということではないだろうか?

 モンサントの思惑通りに進んだなら、日本の農業が潰れるかどうかと言う問題ではすまなくなる。今後、百年単位で放射能と格闘しなければならない日本だが、そこにGM作物が入ってくるわけで、人間に何らかの悪い影響が出てきても、何が原因だかわからなくなりそうだ。





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最終更新日  2013.08.02 03:11:44


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