《櫻井ジャーナル》

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2013.08.28
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 8月の下旬に入り、アメリカ政府がシリアに対する好戦的な姿勢を急速に強めている。シリア政府軍が化学兵器を使ったことに対する制裁だと言うのだが、根拠を示さず、言いがかりとしか言えない。 ロシア政府との会談もキャンセル

 最近、本ブログにもしばしば登場するサウジアラビア総合情報庁の バンダル・ビン・スルタン長官がアメリカにシリア攻撃をけしかけているとする話 がある。2007年の時点でアメリカのネオコン政府はイスラエルやサウジアラビアと手を組み、スンニ派武装グループを使ってシリアやイランをターゲットにした秘密工作を開始したと調査ジャーナリストの シーモア・ハーシュ は書いている。

 さらにさかのぼれば、ズビグネフ・ブレジンスキー(当時はジミー・カーター大統領の補佐官)の戦略に基づいて1970年代の終わりにイスラム武装集団が組織された際、パキスタンの情報機関ISIとサウジアラビア政府が協力、「イラン・コントラ事件」でも登場してくる。

 サウジアラビアは資金面で協力したが、それだけでなく、人員も提供している。後にアル・カイダの象徴になったオサマ・ビン・ラディンがサウジアラビアの富豪一族に属し、王室ともつながりがあることは広く知られている。この富豪一族はビジネスでブッシュ家ともつながりがあった。

 ジョージ・H・W・ブッシュとジョージ・W・ブッシュの親子はともにエール大学で学生の秘密結社、スカル・アンド・ボーンズ(海賊のマーク)のメンバーだったが、この親子と同じようにこの結社に入っていたジョン・ケリー国務長官が現在、戦争の旗振り役になっているのは興味深い。(スカル・アンド・ボーンズは情報機関や金融機関との関係が深い。)

 エジプトではムスリム同胞団を支持母体とするハメド・ムルシ政権が軍によって排除され、サウジアラビア人脈で占められた暫定政権が国を動かしている。ムルシと同じように同胞団を支持母体とするトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相が軍のクーデターを激しく批判するのはそうした背景があるからだ。この同胞団が結びついているカタール王室はリビアやシリアの体制を転覆させるため、傭兵を雇っていた。



 ムスリム同胞団は選挙の際、投票所に武装集団を配置して威圧、多くの中間層は嫌気がさして棄権しているようだ。その結果がムルシ政権であり、少なからぬエジプト人は選挙が民主的だったとは思っていないともいう。そのムルシ政権はエジプトを私物化、資産をカタールにたたき売りし始めていた。

 ムルシ自身もアメリカが自分の後ろにいると信じていたようだが、結果としてアメリカに見捨てられた形。今回、軍が動く前に盛り上がっていた反ムルシの抗議活動では、バナーやプラカードに汎アラブ主義、ナショナリズム、社会主義などを支持するフレーズが書かれていた。アラブの団結を目指したガマール・アブドゥン・ナセルの考え方が広がっていることをうかがわせる。分割して統治するという立場からすると危険な流れだ。この怒りを「ガス抜き」し、コントロールする必要がある。そして軍が動いた。

 ムルシ後の暫定政権はサウジアラビアの影響下にある。シリアへの侵略でもサウジアラビアが主導権を握ったようで、アメリカ政府に軍事行動を促している。1970年代以来、サウジアラビアはイスラエルと緊密な関係にあり、イスラエルの役割も無視できない。この2カ国にバラク・オバマ政権は逆らえないのかもしれない。





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最終更新日  2013.08.28 12:31:25


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