《櫻井ジャーナル》

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2013.09.21
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 ダマスカス郊外のゴータで8月21日未明に化学兵器が使われたとされる問題を調べていた国連のチームが9月15日に 報告書を潘基文事務総長へ提出

 反政府軍の手に化学兵器が渡ったという話はリビアでムアンマル・アル・カダフィ体制が崩壊した直後に言われていた。 リビアからシリアへ戦闘員が移動、武器も運ばれている のだが、そのときに化学兵器もリビアの兵器庫から持ち出されたという疑惑だ。

 反カダフィ軍の地上部隊で主力だった LIFGはアル・カイダ 。実際、カダフィ体制が倒れた後、ベンガジでアル・カイダの旗が掲げられたことは YouTubeの映像 だけでなく、 デイリー・メイル紙 も報道している。その際にリビアからシリアへ戦闘員や武器/兵器が移動した可能性は高く、必然的にシリアでもアル・カイダの戦闘員が増えることになる。

IHSジェーンズの調査によると

 こうした状況の中でシリアの戦闘は続いているのだが、戦況は政府軍が優勢。そこでシリアの体制転覆を目指す勢力、つまりアメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタール、イスラエルなどは外国軍の直接的な軍事介入を目論むことになる。その口実として考えられてきたのが「化学兵器の使用」だ。

 3月に化学兵器が使われたとシリア政府が発表、反政府軍も政府軍が実行したとしていた。これについてイスラエルの ハーレツ紙は、攻撃されたのがシリア政府軍の検問所であり、死亡したのはシリア軍の兵士だということから反政府軍が使ったと推測 、国連独立調査委員会メンバーの カーラ・デル・ポンテも反政府軍が化学兵器を使用した疑いは濃厚だと発言 していた。

 そのほか、コリン・パウエル国務長官(ジョージ・W・ブッシュ政権)の補佐官を務めた ローレンス・ウィルカーソン退役大佐 はイスラエルが「偽旗作戦」を実行した疑いがあると発言している。イスラエルはサウジアラビアと同様、「西側」のメディアが触れることが難しい国だ。なお、オリジナルの映像は削除されているが、その内容を紹介する記事、あるいはコピーは見ることができる。

 8月21日の攻撃について、ロシアのビタリー・チュルキン国連大使は文書と衛星写真に基づき、 反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射され、毒ガス攻撃を受けたとされるゴータで着弾 していることを国連の臨時会合で示したという。この話が伝えられた後、シリア攻撃を主張する声は急速に小さくなり、アメリカ政府は孤立していく。

 そして9月8日、反シリア政府軍に拉致されていたイタリア人ジャーナリストとベルギー人教師が解放されたのだが、拘束していた戦闘員が8月に 化学兵器を使ったのは反政府軍だと話しているのを聞いたと教師は証言 している。隣の部屋で戦闘員がスカイプで話している会話を、半開きのドアを通して聞いたというのだ。

 その前、8月29日には ミントプレス 本ブログでも紹介 している。 デイル・ガブラク ヤフヤ・アバブネ の名前で書かれたもので、ガブラクはヨルダンを拠点としてAPに記事を書いているジャーナリストであり、アバブネはヨルダン人ジャーナリスト。

 記事の冒頭、ガブラクは調査と執筆に協力したが、シリアには入っていないと書かれているので、サウジアラビアと化学兵器を結びつける現地住民の証言はアバブネが聞いたことがわかる。ただ、ガブラクが比較的に信頼されているジャーナリストだということで記事が信頼されたことは確かだろう。

 当然、この記事は多くの人が注目して話題になったのだが、 ガブラクは筆者として名前が出されていることに抗議

 アバブネとガブラクとの間に何があったかは不明だが、ふたりともヨルダンを活動拠点にしているジャーナリストなわけで、ガブラクもアバブネと面識がないとはしていない。記事を読めばアバブネが現地で証言を集めたことはわかるが、世間へのアピールという点では「ガブラク」という名前の果たした役割は大きく、ガブラクの抗議で記事への信頼度が下がったことも確かだ。

 世界有数の産油国であり、アメリカやイスラエルと友好的な関係にあるサウジアラビアの機嫌を損ねるようなことを日米欧の大企業もしない。そうした大企業をスポンサーとするメディアもサウジアラビアに都合の悪いことには触れないようにしているのが実態。そうしたメディアから仕事をもらいたいなら、サウジアラビアの暗部にメスを入れることはできないということも間違いない。





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最終更新日  2013.09.21 21:38:16


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