《櫻井ジャーナル》

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2013.10.13
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 パキスタンでイスラム武装勢力から銃撃されたマララ・ユスフザイを「西側」は自分たちの中東/北アフリカ侵略を正当化するために利用している。ところが、10月11日にマララはホワイトハウスを訪問してバラク・オバマ大統領と会った際、 マララは無人機による攻撃がテロリズムを煽っていると懸念を示した

 1970年代にアメリカがアフガニスタンでの秘密工作を始めたことは本ブログで何度も書いたこと。その工作にパキスタンは協力していた。

 工作の中心的な存在がズビグネフ・ブレジンスキー。1979年5月にCIAイスタンブール支局長はアフガニスタンのリーダーたちと会談するのだが、そのセッティングをしたのがパキスタンの情報機関ISIだった。

 その会談でCIAが手駒として選んだ相手が麻薬業者のグルブディン・ヘクマチアル。7月にジミー・カーター大統領はアフガニスタンのイスラム武装勢力に対する秘密支援を承認する。

 その年の12月にソ連軍の機甲部隊がアフガニスタンへ侵攻、イスラム武装勢力との戦闘が始まる。ブレジンスキーの作戦通り、ソ連軍はアフガニスタンへ引きずり込まれたわけだ。後にブレジンスキーはフランスのヌーベル・オプセルヴァトゥール誌に対し、「秘密工作はすばらしいアイデアだった」と語っていた。

 今でもアメリカの情報機関はイスラム武装勢力との関係を維持している。その武装勢力の雇い主がサウジアラビアであり、責任者はバンダル・ビン・スルタン総合情報庁長官。1983年から2005年まで駐米大使を務め、「バンダル・ブッシュ」と呼ばれるほどブッシュ家と親しくしている。

 ブレジンスキーがアフガニスタンで作り上げたイスラム武装勢力からアル・カイダは生まれ、その看板として扱われたのがオサマ・ビン・ラディン。サウジアラビアの富豪一族で王室とも関係の深いビン・ラディン家ともバンダル・ブッシュは緊密な関係にある。

 リビアやシリアの反政府軍は外部勢力、つまりアメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタール、イスラエルなどから支援を受けていた。地上部隊の戦闘員を雇っていたのはサウジアラビアやカタールなのだが、リビアの体制転覆に成功した後に内部対立が生じたようだ。



 シリアではFSAがカタールの影響を強く受けていたのだが、最近は アル・カイダ系のアル・ヌスラを中心とする「イスラム主義者同盟」が反政府軍の75% を占めるようになったとも報道された。

この勢力にサウジアラビアが化学兵器を提供していると8月29日にミントプレスが伝えている 。後に筆者として名前が載っていたひとりが記事と自分は無関係だと主張するのだが、 編集長のムナル・ムハウェシュはその主張を全面否定、電子メールのやりとりもあると反論 した。

 10月に入ると「ロシア外交筋」からの情報として、サウジアラビアと化学兵器とを結びつける話が流れてくる。 ゴータで化学兵器を使ったのはサウジアラビアがヨルダン経由で送り込んだ秘密工作チーム であり、この作戦はサウジアラビア系のイスラム武装勢力、リワ・アル・イスラムが支援したという。

 ブレジンスキーがソ連軍をアフガニスタンへ誘い込むことに成功した当時からサウジアラビアはイスラエルと手を組んでいた。 シーモア・ハーシュ は2007年に書いた記事の中で、アメリカ、サウジアラビア、イスラエルの3国は共同でシリアやイランをターゲットにした秘密工作を開始していたとしている。

 10月2日、 イスラエルでは湾岸諸国の政府高官がイスラエルを訪問した と伝えられているが、この高官はサウジアラビアのバンダル・ブッシュだと見られている。サウジアラビアはアメリカの金融界や石油業界と関係が深く、イスラエルは強力なロビー団体を動かし、議会やメディアの大きな影響力を持っている。



 その ロシアをバンダル・ブッシュは7月31日に訪問 したのだが、その際、 チェチェンの武装グループにソチ・オリンピックを襲わせると示唆 、シリアでの工作を邪魔するなと脅したのだが、これは逆効果になってしまう。ロシア政府を怒らせてしまったのである。その後、サウジアラビアと化学兵器の使用を結びつける情報が出てきたのは偶然でないだろう。

 アメリカのバラク・オバマ政権がサウジアラビアとイスラエルからの圧力を跳ね返したなら、この両国の立場は厳しいものになってしまう。アメリカに対するサウジアラビアとイスラエルの攻撃は激しくなる可能性がある。





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最終更新日  2013.10.14 01:56:00


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