《櫻井ジャーナル》

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2013.10.20
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 エクアドルの熱帯雨林を破壊し、住民に健康被害をもたらしたアメリカの巨大石油企業の シェブロンが住民側の弁護士をニューヨークで訴えた

 南米エクアドルの北部、ヌエバ・ロハの近くで油田が発見されたのは1960年代のことだった。1972年にテキサコ(2001年にシェブロンと合併、現在の社名はシェブロン)は石油の採掘を本格的に開始、それにともなって原油や廃液を環境中に放出、自然が破壊され、農作物や家畜が被害を受けただけでなく、住民の間に深刻な健康被害をもたらしたと報告されている。

 石油採掘による環境破壊が明確になる中、1993年に住民はニューヨークでテキサコを訴えるのだが、その2年後に同社は「掃除」を約束、当時のエクアドル政府はさらなる訴訟を起こさないことで合意した。事実上、テキサコが行った環境破壊を不問に付すということである。テキサコがシェブロンと合併した2001年に裁判は棄却されてしまう。2005年には「テキサコ」という名前が社名から完全に消される。

 テキサコの責任を免除した1995年当時の大統領、シスト・ドゥラン・バジェンは新自由主義政策を推進していた人物、つまり巨大資本の操り人形。こうした政策は2007年にラファエル・コレアが大統領に就任するまで続く。

 アメリカ資本の傀儡が実権を握っていたなら住民は泣き寝入りになっていただろうが、2006年の大統領選挙でコレアが勝利するとエクアドルの雰囲気は大きく変化、被害を受けた住民はエクアドルでシェブロンを相手に裁判を起こした。

 同社は2009年にハーグの仲裁裁判所に仲裁を請求、2011年に同裁判所はエクアドルに対し、シェブロンに対するすべての判決の執行を中止するよう命じたが、その直後にエクアドルの裁判所はシェブロンに対し、180億ドルを支払うように命じる。それに対し、シェブロンはエクアドルの住民に協力していたアメリカの弁護士、スティーブン・ドンジガーを不正行為があったとしてニューヨークで訴えた。ドンジガー側はシェブロンの主張は事実無根だとしている。

 ドンジガーに対する訴訟でシェブロンが連れてきた証人はエクアドルの元判事、アルベルト・ゲラだが、この人物は証言の代償として3万8000ドルをシェブロンから受け取り、その家族は毎月生活費として1万ドルと居住費として2000ドルを受け取ることになっていると伝えられている。しかも、ゲラが「元判事」になった理由にも関心が集まっている。

 また、住民の依頼で環境汚染に関する報告作成に協力した 調査会社、ストラタス・コンサルティングもシェブロンからの圧力に屈した

 アメリカの司法制度が腐敗していることは公然の秘密であり、NSA(アメリカの電子情報機関)がエクアドル側の通信を傍受し、データを盗んでシェブロンを支援することは間違いなく、ドンジガーには厳しい判決が出る可能性もある。が、アメリカの巨大石油企業がアマゾンの熱帯雨林を破壊し、住民に健康被害を及ぼしたことは明確。シェブロンがそうしたことに責任を感じているとは思えないが、そうした現実を世界の人びとが見ている。





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最終更新日  2013.10.20 21:03:40


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