《櫻井ジャーナル》

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2014.01.21
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 シリアの戦乱を終わらせる目的で1月22日から開催される予定の会議 「ジュネーブ2」に国連の潘基文事務総長はイランを招待していたが、急遽、取り消された

 2011年3月にシリアで戦闘が始まったが、その当時から反政府軍を外国が支援していた。アメリカ、イギリス、フランス、トルコといったNATO諸国のほか、サウジアラビアやカタールといったペルシャ湾岸の産油国がそうした国々であり、戦闘員として傭兵が雇われている。

イスラエルの駐米大使だったマイケル・オーレンは退任直前、シリアのバシャール・アル・アサド体制を倒すためならアル・カイダを支援する としている。イスラエルの敵はイラン、シリア、レバノンのラインで、その要石がシリアだという。ネオコンと同じ考え方だ。

ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官の話 では、湾岸戦争でサダム・フセインを排除しなかったことにネオコン/イスラエルは激怒、ポール・ウォルフォウィッツ国防次官はシリア、イラン、イラクを攻撃すると口にしていた。

 また、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュは、ニューヨーカー誌の2007年3月5日号で、 アメリカ、イスラエル、サウジアラビアは、シリアとイランの2カ国とレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を開始 したとしている。2008年になると、 サウジアラビア国王は駐米大使を介し、デイビッド・ペトレイアス大将に対してイランを攻撃するように求めている

 シリアで戦闘が始まった当初、反シリア軍の拠点はトルコにある米空軍インシルリク基地にあり、アメリカの情報機関員や特殊部隊員、イギリスとフランスの特殊部隊員がそこでFSA(自由シリア軍)を訓練していた。現在はヨルダンに比重が移っているようだ。

 この当時から反政府派が残虐だったことを、シリア駐在のエリック・シュバリエ仏大使が明らかにしたのは2012年3月のこと。 シュバリエによると、彼はこうした実態をアラン・ジュペ外務大臣兼国防大臣(当時)に報告、アル・ジャジーラなどの報道は正しくないと伝えたのだが、この報告に外相は激怒し、残虐な弾圧が行われていると書き直せと脅した という。

 反政府軍の主力である傭兵はサウジアラビア系とカタール系に分けることができる。サウジアラビア系はサラフィー/タクフィール主義者(アル・カイダ)、カタール系はムスリム同胞団が中心。

 こうした反政府軍の実態は当初から指摘されていたのだが、「西側」の有力メディアは無視、「平和的な民主化運動」を「残虐な政府軍」が弾圧しているというシナリオで報道し続けてきた。そうしたストーリーの発信源は「活動家」や「人権団体」。中でも有名な「活動家」がシリア系イギリス人のダニー・デイエムだった。

 アメリカのCNN、あるいはイギリスのBBCといった有力メディアに「証人」として登場、外国勢力の介入を求める発言を続けていたのだが、 「シリア軍の攻撃」をダニーや仲間が演出する様子を移した映像 が2012年3月に流出、CNNや BBC は偽情報を流していたことが明らかになった。

 2012年5月にホムスのホウラ地区で虐殺があり、反政府軍や「西側」は政府軍が実行したと宣伝しはじめる。この出来事を利用してシリアのバシャール・アル・アサド体制を倒そうとしたわけだが、事実との間に矛盾点が多く、すぐに嘘だとばれてしまう。

 そのホウラを調査した 東方カトリックの修道院長も反政府軍のサラフィー主義者や外国人傭兵が実行したと報告 、その内容はローマ教皇庁の通信社が伝えた。ドイツの フランクフルター・アルゲマイネ紙も、キリスト教徒やスンニ派の国会議員の家族が犠牲になっていると伝えた

 「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」とその修道院長は語っていた。

 また、現地で宗教活動を続けてきたキリスト教の聖職者、 マザー・アグネス・マリアムも外国からの干渉が事態を悪化させていると批判 している。「ジュネーブ2」へイランが出席することを拒んだ反政府軍とは、「西側」や湾岸産油国の傀儡ということだ。(続く)





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最終更新日  2014.01.22 14:25:38


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