《櫻井ジャーナル》

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2017.02.07
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カテゴリ: カテゴリ未分類


 繰り返し書いてきたことだが、例えば、2009年12月30日に アメリカの国務省が出した通信文 には、サウジアラビアの資金提供者が全世界に展開する「スンニ派テロリスト」への最も重要な資金源を構成していると書かれている。

 2014年9月には トーマス・マッキナニー空軍中将 がアメリカが組織する手助けをしたと発言、 マーティン・デンプシー統合参謀本部議長(当時) はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で語った。同じ年の10月には ジョー・バイデン 米副大統領(当時)がハーバーバード大学で中東におけるアメリカの主要な同盟国がダーイッシュの背後にいると述べ、2015年には クラーク元欧州連合軍最高司令官 もアメリカの友好国と同盟国がダーイッシュを作り上げたと語った。そして フリン元DIA局長 は2015年8月、アル・ジャジーラの番組へ出演した際にダーイッシュが勢力を拡大できたのはバラク・オバマ政権の政策があったからだと指摘している。



 ヒラリー・クリントンを担いでいた勢力、つまりネオコンなど好戦派はイランを破壊しようとしてきた。核兵器を使おうとした疑いも持たれている。そのプランが消えているはずはない。時間の経過と共にネオコンの戦略に取り込まれたオバマ大統領も同じだ。そのオバマ政権がイランと核問題を話し合いで解決しようと考えていたとは思えない。そもそも、アメリカ政府は核兵器をそれほど脅威だと考えているのだろうか?

 現在、中東には世界有数の核兵器保有国が存在する。いうまでもなくイスラエルだ。内部告発者のモルデカイ・バヌヌが1986年に示した推計数は100発から200発、ジミー・カーター元大統領は2008年の時点で150発以上、2014年には300発以上としたうえで正確な数字は誰にもわからないとしている。コリン・パウエル元国務長官が2016年に示した数字は約200発だ。その大半はテヘランに向けられているとも言われている。

 アメリカがイスラエルに何らかの制裁を加える、まして攻撃するなどということはありえないだろう。ところが、核兵器を持っていなかったイラクを「大量破壊兵器」を口実にして先制攻撃、国を破壊し、国民を虐殺してきた。イスラエル/ネオコンは核兵器を開発していようがいまいがイランを破壊したがっている。それに同調しているのがサウジアラビアだ。

 こうして見ると、オバマ政権が真剣にイランと話し合っていたようには思えない。彼らの手口を考えると、話し合いは時間稼ぎである。ウクライナやシリアの「停戦」はそうした目的で実施されていた。態勢の立て直し、工作/作戦の準備だ。ロシアの経済界にはウォール街やシティにつながる勢力のネットワークが存在しているが、イランも同様。

 ひねくれた見方をするならば、「話し合い」の間にそうした勢力と何らかの準備を進めている可能性がある。イランを最も攻撃したがっている勢力はヒラリー・クリントンを担いでるネオコンだ。

 イランを攻撃すれば自動的にロシアとの戦争になる。ロシアがシリアに対する侵略を阻止しようとしたのはイランを守るという側面もあった。中国もロシア側につくだろう。イラン攻撃はイスラエルの情報機関や治安機関が反対する可能性も高い。トランプ大統領の言動から考えて、こうした方向へ進む可能性は小さい。

 戦争したがっているのはネオコンやロシアからイスラエルへ亡命したオリガルヒたちで、ウクライナのキエフ政権ともつながっている。アメリカとイランとの関係悪化はイランを破壊したがっているネオコンにとって良くない展開だという見方も成り立つ。問題はマティス長官やヨーロッパのアメリカ軍、NATO軍の暴走を止められるかどうかだろう。





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最終更新日  2017.02.07 05:38:57


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