ロシア国防省によると、ウクライナ軍は12月31日、HIMARS(高機動ロケット砲システム)でドネツクにあるロシア軍の仮設兵舎を攻撃、63名のロシア兵が死亡したという。アメリカから得たターゲットに関する詳細な情報を利用したと信じられている。西側の軍人がHIMARSを動かしている可能性もある。
アメリカ海兵隊の元情報将校でUNSCOM(国連大量破壊兵器廃棄特別委員会)の主任査察官を務めたスコット・リッターが指摘しているように、ロシア軍と戦わせる相当数の兵士はNATO加盟国で軍事訓練を受けているが、「玉砕戦法」を続けているため、戦死者は増え続けている。
また、11月30日に欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長はウクライナの将校(将兵?)10万人以上が戦死したと語った。これはロシア側の推定とも合致する。ウクライナでは戦場へ45歳以上の男性も送り込まれ、ポーランドやバルト諸国からも戦闘員が来ているようだ。
1日に50名以上のロシア兵が戦死したのは昨年2月にロシア軍が軍事作戦を始めてから始めてのこと。ウクライナ側の戦死者数はロシア側の10倍程度だと推測されている。
ウクライナの軍や親衛隊は昨年4月の段階で事実上壊滅、アメリカをはじめとする西側の兵器供給、特殊部隊派遣、隣国からの戦闘員投入などで戦闘を続けてきたが、それも限界に達している。
ウラジミル・プーチン露大統領は9月21日に部分的な動員を実施すると発表、10月にはドンバス、ヘルソン、ザポリージャの統合司令官としてセルゲイ・スロビキン大将をすえた。集められた兵士のうち約8万人はドンバス入りし、そのうち5万人は戦闘に参加、約32万人は訓練中だという。
地面が凍結するのを待ち、新たな軍事作戦を計画していると言われ、すでいロシア軍はドンバス周辺へT-90M戦車、T-72B3M戦車、防空システムS-400を含む兵器を大量に運び込んでいる。ロシア軍は最適のタイミングで攻撃を始めるつもりだろうが、アメリカ/NATOはそれを嫌い、そのタイミングが来る前にロシア軍を動かそうとしている。不適切なタイミングで攻撃を始めさせ、結果として戦争を長期化させたいと考えているという見方もある。