西アジアではアメリカ軍とイスラエル軍が2月28日に始めた対イラン戦争はIRGC(イスラム革命防衛隊)の反撃で西アジアにあるアメリカ軍基地やイスラエルの主要施設は壊滅的な損害を受け、ペルシャ湾に通じる ホルムズ海峡、そして紅海への入り口であるバブ・エル・マンデブ海峡が封鎖され、石油を含む物資の流れが止まり、世界経済は危機的な状況にある。
そうした状況を作り上げたのは、言うまでもなく、アメリカとイスラエルである。両国の軍隊は2月28日に イランを騙し討ちにして最高指導者のアヤトラ・アリ・ハメネイ師、アブドルラヒム・ムサビ参謀総長、アジズ・ナシルザデ国防相、イラン革命防衛隊(IRGC)のモハメド・パクプール司令官、最高安全保障委員会(SNSC)事務局長でハメネイ師の顧問を務めていたアリ・シャムハニを含むイランの要人を殺害、その際にミナブ女子小学校を攻撃、7歳から12歳の少女168名から180名を殺した。
しかし、アメリカはイランと戦争しているだけではない。1991年12月にソ連が消滅した後、アメリカの外交と軍事をコントロールしているネオコンはNATOを東へ拡大させてロシアに軍事的な圧力を加え、ついにロシアの隣国であるウクライナに手をつけた。2014年2月のことだ。
イギリスは遅くとも19世紀からロシアや中国を征服する長期戦略を立てていた。当時、その中心にいたのがヘンリー・ジョン・テンプル(別名パーマストン子爵)。イギリスの首相や外相を務めた政治家。1840年にアヘン戦争を始めたのも彼であり、ロシアをイギリスにとって最大のライバルとみなしていた。「ウクライナ人はわれわれが反ロシア蜂起のストーブに投げ込む薪だ」と語り、ポーランドをロシアとドイツの間の障壁として復活させる計画を立てている。今でもアングロ・サクソンの支配層はウクライナ人をそのように見ているだろう。
アメリカのバラク・オバマ政権は2014年2月にビクトル・ヤヌコビッチ政権をクーデターで倒し、ネオ・ナチ体制を築いたが、ウクライナの軍や治安機関ではメンバーの約7割が離脱したと言われている。ウクライナの東部や南部はソ連時代、住民の意思に関係なくウクライナへ割譲されたのだが、その後もとの地域はロシア文化圏であり、ヤヌコビッチの支持基盤でもあった。
そこで南部のクリミアはロシアと一体化する道を選び、東部のドンバス(ドネツクとルガンスク)では反クーデター軍が編成され、武装抵抗が始まったのだが、その武装勢力は強く、クーデターを仕掛けたアメリカをはじめとするNATOは新体制の戦力を増強するために時間を稼ごうとして停戦を持ちかけた。それが2014年のミンスク1と15年のミンスク2だ。そして2022年2月にロシアとウクライナ/NATOの戦争が始まった。
この戦争は簡単に勝てるとNATO諸国は思っていたようだが、事実上ホームで戦うロシア軍は優勢。早い段階でロシア軍はトラップに掛かりそうになったのだが、2022年11月に部隊をヘルソンから撤退させることで回避した。ウクライナ/NATO軍はクリミアの水源であり、電力の供給源だったノヴァ・カホウカ・ダムを爆破し、洪水を引き起こしてロシア軍を分断し、彼らが敷設した地雷原を押し流そうとしたと言われていた。ロシア軍のヘルソンから撤退させるようセルゲイ・ショイグ国防相に進言したのはセルゲイ・スロビキン司令官、通称ハルマゲドン将軍だった。その際、住民も避難させている。

これ以降、ロシア軍は一貫して優勢。NATO軍に操られているウクライナ軍はすでに壊滅状態で、軍を指揮してきたオレクサンドル・シルスキー軍総司令官は7月21日に解任され、ネオ・ナチのミハイロ・ドラパティが後任に決まった。
シルスキーはウクライナの街頭だけでなく室内から男性を強制徴兵担当者が拉致し、バンザイ突撃させてきた。ここにきて長距離ドローンでロシアの深奥部を攻撃しているが、製造しているのはNATO諸国。衛星や地上の情報機関員による目標に関する情報の収集と分析、衛星によるドローンの誘導はNATOの衛星。その背後にはアメリカやイスラエルの情報機関と緊密な関係にあるパランティア・テクノロジーが存在している。
ウクライナ軍は7月14日、アゾフ海でロシアの船舶11隻をドローンで攻撃、過去9日間では116隻の船舶に打撃を与えたと発表
したが、それを切っ掛けにしてロシア軍はオデッサやニコラエフへ物資を輸送する船舶を攻撃、沈没させている。港は封鎖された。ロシア軍は「特別軍事作戦」から「戦争」へ戦い方を変えたと言われているが、その背後にスロビキンの姿を見る人は少なくない。彼は当初から戦争の相手をNATOだと考え、防衛体制を重視していた。
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【 櫻井ジャーナル(note) 】