ジュエリーデザイナーのインドア三昧。

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Feb 10, 2015
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古本の発掘を生業とする男が殺される。刑事の主人公は、古書について
専門家と並ぶ知識の持ち主。被害者の本にかなりの価値があると知った
主人公は、貧しかったはずの被害者がなぜそんな本を. . . と
疑問を持つ。


だいぶん前、文庫が出版されたころだったか. . . に読んだっきりでしたが
最近読み返してみました。えー。最初の印象と変わらず。
面白いかというと面白いです。
別冊宝島の『このミステリーがすごい1996』のベストワン、
1996年「週刊文春」の傑作ミステリー海外部門第1位。ネオウルフ賞受賞。

表現や設定に稚拙な部分が. . . っていうとエラソウですね。
曲がりなりにもミステリーのその年のベスト1に選ばれてるんだから、
面白いって言ったほうが素直です。(いや、面白いんです。)

鼻につく部分。
今更1996年の本をいろいろ言うのもあれですが、
ずーっと1996年から2015年まで読まなかった本が、
今読み返したときにふつふつ来た違和感を書いておきたいです。


●主人公が壁を埋め尽くす蔵書を観た人に「この本を全部読んだの?と
聞かれると間抜けな質問だと思うこと。
私もよく言われましたけど、本を読みまくり、沢山持ってる人以外なら、
普通の素直な感覚でしょう。自分と違う生き方の人を上から目線で見てるなあ。


あること。
「マーク.トゥエインの初版とキングの初版の値段が一緒で
さらに10倍よく売れるのは理解不能」と書いています。

それは、ニーズがあるから. . . では?
欲しいと思わせる何か、そしてファンが多い事じゃないですか。違うかな。


ひどい小説をほかに読んだことがない」ともあります。

それは世間知らずというものじゃないかと. . .
確かにクリスティーンは最高傑作とは
思えないけど、それも個人の好み。
それに、ほかにもっとひどい小説は読んでおります。
(個人的な好みもありますが
決めつけはどうなのか). . .
「たまには怖い小説も読みたくなるが屑ばかりではしょうがない」とか、
「こんな子供だましが何千万部も売れているのが一番の恐怖かも」とか
やたらと滴るような悪意を感じます。

そして「この手の本を買う人は実は本が好きではない」なんて
書かれたら、自分では本が好きと考えてる私なんて憤慨します。ええ。

この作者、フリーライターやカルチャースクールの講師などをしながら
三十歳ちょっとでデビューするも、出版社とのトラブルなどで
作家活動休止、その後古書店を開いた後また復帰したのが本作、
らしいので、なんかいろいろやっかみとかあるんじゃないかと勘繰ってしまいます。
古書店店主としてなら好きにキングをけなし、扱わないのもいいでしょうし、わざと
安値を付けてもいいんでしょうが、同じ作家として実名でここまでけなすって、
この作者の品性をおとしめてるなあと感じたのは私だけじゃないと思いたい。
(あちこちで絶賛記事は読んだけど、
あまりひどいことは読んでないんです。この本について。)

●ヒロインがグリーンピースのがちがちの構成員/寄付も
ばっちりしてる人でもあるという設定。
(古書界の伝説の女性なんですけどね)

そこ、その設定ほんとにいるのかな。
突然そういう設定が出てきてびっくり。本編にまったく関係ないのに。
ヒロイン曰く「毎朝、目を覚ます気になるのは、
グリーンピースがあるからよ」だそうです。

●廉価版の本を屑本扱いするあたり、ちょっと鼻につきまくりです。
もちろん、古書としての価値は低いんでしょうが、
私は本は読むものだという感覚がまずあるので、投資目的という感じで
書いてると、それもあるだろうけどねえ. . . って感じ。

「初版本を読むのは馬鹿だけ」と書いてて、
「ほかの版をボロボロになるまで読んでも
初版本がきれいなら作者に申し訳ない気持ちにならないですむ」って. . .
作者はボロボロになった本をうれしいと思うんじゃないのかなあ。
(食べかすやなんかで汚した本じゃなく、
読んで、読んで読んでボロボロになった本は)

●恋人への下ネタというか、誘いの言葉が
「きみのその体を重火器で攻撃したい」 とか
ですもん. . . どうなんですかその感覚は。
そういう小説ならこれもありですけど、
正統派ミステリ、知的謎解き、俺頭いいぜ、って
本にはあわないと思うんですがどうでしょう。

●やたらと図書館司書/図書館をけなす。
(特にひどいのは公立図書館で、知識も人手もない、らしいです、作者曰く)
値段のつけられない本を寄付されても
カビだらけの地下室に置きっぱなしなんだから、
死んだ時図書館に寄付するくらいなら
焼き捨てたほうがいい、と書いています。
いやいや、焼き捨てるのは最悪じゃないですか。

ついつい長くなってしまいましたが、
本編は面白いんです。でも、ねえ。ってところがいろいろあったのを
かなりの間忘れてたけど思い出しちゃいました。はははははははは。


ここまで書いといてなんですが、彼のほかの読んだ本も、読んでない本も
また読んでみたく思います。全部読んで、これはどうなのと思う所にしおりを挟むって、
ものすごくつまらなかったら、
逆にやらない事でもあり、だからこそ「面白くはあった」のです。


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そういえば前に読んだことがある実録殺人シリーズも彼の作品でした。

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Last updated  Feb 10, 2015 05:10:42 PM


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