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2005年11月27日
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カテゴリ: 海外文学
ワイオミングの惨劇 州に昇格して間もないワイオミングの刑務所から、3人の凶悪犯が逃亡した。しばらくして―、近くのさびれた鉱山街に、ふらりと1人の若者が現れた。陽気で働き者の彼は、なぜか時代遅れの大きな銃を大事そうに抱えていた…。伝説の覆面作家が創り出す風変わりな隔絶空間。縦横無尽の文才を駆使して語られるのは、知性なのか、狂気なのか?15年の沈黙を破った待望の新作。

トレヴェニアン/著作一覧





2005年 このミステリーがおもしろい海外3位 伝説の覆面伝説が帰ってきた。

トレヴェニアンーー日本では実に18年ぶりの新作登場となる。とすると、その名を知らない人が増えていても不思議はないだろう。けれども、、たぶん30代半ばより上の翻訳小説ファンなら、「トレヴェニアン?ああ、『夢果つる街』の」とか、「『シブミ』ですね」、「いや『バスク、真夏の死』でしょう」と、ある種の感慨をもっての、というニュアンスと、ミステリーファンにとっては、永遠の名前だという評価がこもっているに違いない。さらに、上の世代の007=ジェームズ・ボンド同時代派ならば、クリント・イーストウッド監督・主演で映画化されたスパイ冒険小説『アイガー・サンクション』や、続編の『ルー・サンクション』を懐かしさと共に口にすることもあるだろう。

1983年の『バスク、真夏の死』のあとトレヴェリアンはそれまでの上記5作すべてをインターナショナルなベストセラーとしながら、欧米でも奇妙な名前を持つ、作風の定まらない寡作の匿名作家と見られていた。だからその沈黙が長きにおよんでも、われわれ日本の読者もふくめて、表立った話題にはならなかった。その間、ある作家辞典では92年という没年が記載される事態まで起きている。

本書はそのトレヴェニアンが15年ぶりに発表した長編小説で、100年前のアメリカ西部で起きたある街の事件を西部劇仕立てで劇的に描いたものである。新作と呼ぶには多少間が開いたものの、この最新長編でも質はまったく落ちていない。はじめての素材を扱い、語り口を変え、小説ジャンルの定型に収まらないストーリー展開を持つなど、いかにも<トレヴェニアネスク>(注 トレヴェニア的。一部の評論家やファンの間で使われる造語)な空気が流れているのはファンにとってはたまらない魅力だろう。 ここには、あの真実を暴く冷徹な作家の目と、人を愛して止まない温かな心情、皮肉な笑い、そして読者を喜ばせる小説職人の確かな手腕がある。練りこまれたA級のプロットにB級趣味をふんだんにばらまき、そこに聖なるものをたくみに混ぜ込んで作られた世界である。云々。。(あとがきより )

●感想
予想を遙かに超えて面白かった。 まず主人公の人物造型がいい。主人公マシューは非常に不安定さを感じるキャラである。 彼の口八丁で、愛嬌がある、そのくせ何か秘密を感じさせる内面と、街の15人の人物達の描写に惹きこまれる。そしてそれらの人物らをはるかにしのぐ 狂人が悪役として君臨する。 もちろんこいつを倒さないことには物語は終わらないのです。 ところが主人公がちっともヒーロー的なキャラではない。 一体こりゃどう落とし前をつけるんだろう? 思っていたのですが…。いやあ、すごい。「西部劇」といっても、それらしいクールなヒーローいるわけではないし、ミステリーともサスペンスとも言いがたい。 ノワールじみた西部劇を演出していて、エピローグは締めくくりがなんとも感動的。 ラストの感動的なアレは素直に感動的と言えないような気もしたり…。

●ストーリー

時は19世紀末、舞台はワイオミングの“二十マイル”と呼ばれる鉱山街。「街」と言うよりは集落に近い。なにしろ住人は15人しかいない。皆、<おどろき銀山>で働く60人ばかりの鉱夫たちを相手に商売をしている。鉱夫たちは週に一度列車に乗って街に下りてきて、買い物をしたり、食事をしたり、湯に浸かったり、娼婦たちを相手にしたりする。

そんな“二十マイル”にやってきた「リンゴ・キッド」を気取る若者が本書の主人公マシュー・ダブチェク。彼は雑用を低賃金で請け負い、何とか街に住み着こうとする。その苦労が報われ始めた頃、ララミー州立刑務所を脱獄してきた「リーダー」という名の凶悪犯が手下を二人伴って“二十マイル”に流れてくる。銃によって街を制圧しようとするリーダーにマシューは一人立ち向かうことになる。しかし、その結末は…。



ストーリーテリングのうまさと人物造形の巧みさは素晴らしい。 あとがきの伝説の?覆面作家『夢果つる街』のトレヴェニアンについての解説もおもしろい。 


(注)映画化の話は聞いてません。読んだ小説の感想、です





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最終更新日  2006年03月02日 10時00分52秒


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