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2006年02月14日
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テーマ: 映画と原作(88)
カテゴリ: 海外文学
女教皇ヨハンナ(上) 女教皇ヨハンナ(下)
時は9世紀。ローマでカトリック史上唯一の女性教皇が誕生した。だが、その公式記録は抹殺され、教皇庁は彼女の存在を一千年にわたって、今なお頑なに否定する。なぜか? 策謀渦巻く中世ヨーロッパを舞台に、知性と理性を武器に理想を追った一人の少女。彼女が運命のいたずらによって教皇に上り詰めたとき、悲劇の結末が…。史実の間から浮かび上がった女性教皇の生涯を描く。

ドイツで二百万部のベストセラー、『ブリキの太鼓』の シュレンドルフ監督 による映画化決定。陰謀渦巻く中世ローマを舞台にした歴史エンタテインメント。



女教皇ヨハンナ出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
主人公ヨハンナの強い意志、知性、優しさ、知識を得たいという願いには、多くの女性が共感を覚えると思います。 中世の時代考証などもリサーチには7年もの時間がかかったそうですが、当時の様子が小説ならでは、とてもリアルに想像できました。中世の実際の歴史がベースで、とても読みやすく、面白かったです。感じたことを箇条書きにまとめてみました。

*画像は、レオ4世の「ボルゴの火災」で十字を切って火を鎮圧する絵
レオ4世 「ボルゴの火災」
●中世の価値観 女は男に劣る<女性蔑視>

「最後の審判の日には、女性色は一掃されるであろう。なぜなら信徒は全て男性となるからである」 「あなたは自分がエバであることを知っているか」「女の脳は子宮と反比例する。学問をすると女は子を産まなくなる。」月経は不浄、作物の不作や狂犬病の原因とされたり、歯痛や腹痛を治す産婆が魔女扱いされて処刑。 正直、女性蔑視の時代のはなしは腹立たしく、うんざりします。


●ヨハンナの生い立ち 父がキリスト教カトリックの司祭、母は<異教徒: ザクセン人

ヨハンナの生まれた村は キリスト教世界の辺境の地。いまのドイツで<フランク国>。父は異郷徒への宣教に訪れ、ヨハンナの母に魅入られて妻とした。そんな自分の弱さを、妻のせいにし折檻する。ザクセン人は金髪碧眼の容貌でのちのサクソン人、母は美しい女だったようだ。ヨハンナをかわいがり、異教徒の神の話を寝物語に語り育てた。ヨハンナにはキリスト教への信仰と、異端の神の知識が、知性を育てる源となったのかもしれない。

*画像は、レオ4世のサラセン人の攻撃から町を守る為の城壁を築いてる絵
「オスティアの戦い」とローマ教皇レオ4世
●キリスト教世界は信仰ですべてが救われる=迷信深い

*ノルマン人 とか、 *サラセン人 の襲撃で大虐殺があるが、その際に具体的な戦う手段を講じず、「神の祈りはなにより強いものだ」と、敵にあわや滅ぼされそうになる。天からの光とか、何か奇跡が起きて守られると本気で信じていた。町を襲った火事の火を、ヨハンナの前の教皇レオ4世が十字架を切って消し去った、という信仰の絵も有名。 病気は”罪””悪”がその本人にある為、と祈りやお払いを信じている司祭ら比べると、<異教徒>文化は、まだ実践的。ヨハンナの医術や常識や判断は、科学的だし理性的に描かれている。ローマは色んな文化民族が、出会い、交じり合い、淘汰されていった町だったのだろう。


*サラセン人・・・アラビア半島やシリア地方のアラブ人




肉欲、美食、権力欲、嫉妬、。清貧はどこへ?司祭、枢機卿、教皇なのに、何故こうも弱く醜いのか。特権階級の頑迷さには、いい加減読んでて嫌になった。これでどうして、自分は神の子、人を導ける人間、っと思えるのか理解できない人種だらけ。いろんな映画や小説に出てくる、信仰に凝り固まった聖職者たち。ヨハンナに最初に勉強を教えてくれた ギリシャ人 のように、キリスト教世界が拡大し、いろいろな文化が交流淘汰し、思想・哲学・信仰・と学門の造詣が深まり、芸術なども花開いた、時代世界だったかもしれないが、科学などがまるで発達してない為の、誤った認識がさまざまな不幸を呼んでいた時代。

●登場人物 最低ランキング<第一位> 父

司教である実の父は、兄弟の中で一番の賢さを見せる娘を、まるで省みない。つーか、存在価値ナシ状態。あげくには兄さん達はお前のせいで死んだ。「*エバの娘め。悪魔!」(*アダムとイブの楽園での誘惑のはなし。ここの話が何度か出てきますね)
何より、いくら下層の田舎の司教であるとはいえ、異教徒の女性(攻め落とした?町だか村?の)を妻にして、お産で苦しんでようが「女は苦しんで子を産む」と聖書に書いてあると平然といっちゃったり、50過ぎて妻を妊娠させて死に追いやった自分(←何歳までやること、やってるのだ。己の肉欲をコントロールしろ)をま・る・で省みない、その神経は狂人としか思えません。。一体どうして、こんな低脳、頑迷、愚鈍な男が司教になれるわけ? そういう時代だったのでしょうが、まーったく腹立ちます。

女教皇ヨハンナ タロットカード●ヨハンナは実在人物か?伝説の人物か?

ヨハンナはバチカンンの公式記録には登場していない。しかし、中世、民間ではよく知られた人物だった。シエナの大聖堂には彼女の像が他の教皇と共に並んでいた。これは撤去されたようだが、文献に残っているし、彼女の名乗っていたヨハネスを継承する教皇ものちに登場する。また。彼女が子供を死産した道は”敬遠される道”という名前の由来の道がローマにはある。17世紀以降宗教改革の際プロテスタントがカトリックへの攻撃材料にヨハンナを取り上げた為にバチカンはその存在を否定した。

●旧来のヨハンナは破廉恥おんな

19世紀ギリシア人作家エマヌエル・ロイディス『教皇ヨハンナ』(1866)は旧来のヨハンナ像を集約している。これを原作とした映画『Pope joan』(1972)や「愛の年代記」塩野七生氏著などある。このイメージのヨハンナはっかなり破廉恥なイメージ。「両親の死後、修道女となったヨハンナは、尼僧院を訪れた修道士と恋仲になり、男装してフルダの修道院に入り修道士と密会、駆け落ち。その後、ギリシアで弁説の才能を開花させ、彼と別れ、単身ローマへ。教皇へとのぼりつめる。側近の聖職者と再び道ならぬ恋に落ちて身ごもり、教皇行列の最中に不義の子を産み落としてしまったため、女であると知れる。。」

●純愛

このお話で描かれるヨハンナは、従来のイメージとは違い、男装はするけれど、それは身を守る為で女性のままでは開かれない道を得るため。恋愛は、「決して男に気をゆるしてはいけない」という母の言葉を実践しています。けれど、<女>の面がすっかり消えてるわけではありません。、 恋やセックスや妊娠や出産、普通のことで、人生に幸せをもたらしてくれる筈の、それらが重荷、人生の障害になるなんて。 イギリスの女王「エリザベス」もそうでしたが、現代で言うところの<キャリア>の為には、それらを一切捨てなければならない。 まったく不自然な話です。 彼女はそれでも人を愛しました。その姿は破廉恥とか、奔放とはかけ離れたものでした。 



女に限らず、司祭を見ても感じます。キリスト関連の話しで、常に感じることですが、人間の心や肉体に備わったいろいろな欲望を、無理やり<信仰>という枠に捻じ込まねばならない、宗教の掟。 それは欲望に走りすぎる人間への歯止めの為に作られた掟でしょうに、いつの間にか、掟自体が苦しみや混乱の元になっているような気がします。 聖書は、神聖で叡智の泉「神の言葉」人を導くもの、でも、人間のやることは、不完全だと。不自然な形にゆがめてしまったようだと感じます。 

ダビンチ・コード
まもなく公開の映画「ダビンチ・コード」の原作でも キリスト教社会の<女性蔑視>がテーマに重大な関わりをもっています。







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最終更新日  2006年02月26日 17時48分00秒


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