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2006年12月04日

暗いところで待ち合わせ

テーマ：映画館で観た映画(8594)

カテゴリ：カテゴリ未分類

人気小説家の乙一による同名ベストセラー小説を、『AIKI』の天願大介監督が映像化した異色のラブストーリー。父親を失い、視力も失った薄幸のヒロインと殺人事件の容疑者のおりなす奇妙な共同生活をサスペンス仕立てにつづる。連続して不幸が降りかかるヒロインに田中麗奈、容疑者の青年に『幻遊伝』でも田中と共演を果たしたチェン・ボーリン。

玄関のチャイムが鳴り、ドアを開ける。ミチルのそばのすれすれを通って大石は、家の中へ侵入して行った。　奇妙な同居生活は、最初、男がどんな性格で何を背負っているか見えないまま話が始まるので、謎があって面白いです。

一人暮らしする盲目の女性の家に、犯罪者が侵入して一方的な同居生活をはじめる。斬新で実感の伴う魅力的な設定のミステリの映画化。原作の乙一は17歳という若さでデビューした人気作家で、この原作も彼が23歳のころに出したものです。

やがて大石の孤独が浮き彫りになる。
「職場も良いひとばかりだし、心配しないでいいよ母さん。」

ミチルも孤独だ。目が見えないこともそうだが、彼女は外へ踏み出すことができないでいる。幼馴染の友人に何度か、「外にでかけなくちゃ、ミチル」と言われている。

二人とも、ひとりぼっちでさびしそう。奇妙な同居生活が、どういう結末にいくのか。日常が丹念に描かれているので、大石（チェン・ボーリン）のギラっとしたりポツネンとしたり、という表情や、田中麗奈の見えない演技には、見入っちゃいました。　一番良いと思ったシーンは、なかなか外に出られないミチル（田中）に、玄関ドアをバン！と開けて外に連れ出してくれたところですね。　侵入シーンも印象深いです。つまり　入るところと出て行くところが、良いシーンなんですよね。　ある意味、ふたりの心の扉の　象徴なのかな。玄関は。。彼女は知らずに彼を招きいれ、彼は彼女を外へと連れ出した。　ナイーブそうで傷つきやすそうな二人だから、応援したくなる♪

乙一さんの本は、おもしろそうですね。原作も読んでみたいです。「うなぎ」の今村昌三監督の息子さんが監督だそうですが、原作を読んで映画にするのは難しいと頭を抱えたそうですね。しかし、ミチルの雰囲気は原作通りだそうですし。大石は本来は日本人だそうですが、設定を中国と日本のハーフと変えたのですね。　原作は未読ですが映画は　よかったです。

■乙一　著作

伊集院光と爆笑問題のラジオ番組を愛好しているとか、ラジオが入りやすいから東京に移住したとか、貯金が溜まったら仕事をあまりしなくなったとか、なんだか面白そうな方ですね。ラジオ番組の趣味は、とても親近感を覚えます～。（＾▽＾）

『夏と花火と私の死体』
『天帝妖狐』
『平面いぬ。』
『失踪HOLIDAY』
『きみにしか聞こえない　Calling You』
『さみしさの周波数』
『暗黒童話』
『死にぞこないの青』
『暗いところで待ち合わせ』
『GOTH　リストカット事件』
『ZOO』
『くつしたをかくせ』
『小生物語』
『とるこ日記―“ダメ人間”作家トリオの脱力旅行記』
『銃とチョコレート』

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