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ジョニー・デップ


2007年07月09日
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カテゴリ: 海外文学

大学時代、ひとつ屋根の下で暮らした四人の女性。そのうちのひとり、リディアの葬儀が、卒業後離ればなれになった彼女たちを再会させる。若く才能あふれるギタリストだった、今は亡きサルバドールと大恋愛の末に結ばれたリディア。その身に何が起きたのか?威厳に満ちたサルバドールの母に招かれ、壮麗な居城へ足を踏み入れたかつての友人たちが遭遇する、いくつもの怪異と謎。








上巻はいかにもな、ゴシック調、雪に閉じ込められた洋館での、幻想小説?サイコホラー?。。的なのに、読み進むうち、青春小説やハーレクインロマンスか?なストーリー展開。おもしろいんですけどね。主な登場人物女性四人や、サルバトールや彼の母、城の使用人ら、の視点でのつぶやきがくるくると入れ替わって語られている。そして時系列も、入り乱れてます。謎が何層構造にもなってる感じです。


現在:リディアのお葬式後

過去:<1>四人の大学時代 サルバドールとの出会い
   <2>サルバドールのおいたち

未来:オチ


時系列や、各人のつぶやきでバラバラと語られてる割には、すっきりした筋立てでした。関係なさそうな、ナチのはなしや執筆中の小説の筋、などは読み飛ばしちゃってかまわないでしょう。本筋とはあまり関係ない。 まあ。サルバドールの先祖やらの話に関わるのだけど、そこまで綿密に読まなくても大筋は困りませんでしょう。


女性たち、リディアがムードメーカー的で明るくて美人、サルバドールと結ばれる。オードリーは進歩的で野心家、恋やSEX、お洒落など発展的タイプでちょっと鼻持ちならないトコがある感じ。べスはおっとり母性タイプの平凡な子。レイチェルは太めでトロイ子扱い。


そんな彼女たちがリディアのお葬式で何年かぶりで再会する。なんで疎遠だったの?若い頃にケンカしたの?それは男の取り合い、サルバドールを取り合ったのかしら??? 再会したときの、お互いにむけるシビアな悪意の目。でも、一緒に暮していた頃の、四人のバランスはなかなかいいんですよね。



 <復活>ってなんだろ?吸血鬼モノ?と思いつつ読んでてかなり楽しめたのはたしかです。


謎めいた人物に感じたサルバドールにも、当初は女性をもてあそんだ卑劣漢なのか?なんて、勝手に想像していたのが、思いのほか深い苦悩を抱えた人物で、わかるにつれ親近感。


 どうやら、ミステリファンの評価が高いのは、正統派ゴシックをからかったパロディ(バカミスっぽさ)要素のよう。性やセックスについて、下世話っぽいけど、ベタベタロマンチックに陥らず、良く言えば知的なジョークというか、、そういうのを気楽に愉しむつもりでないと、ラストのほうで、真面目なオチを期待した人は のけぞる結果に。 たしかに、ありがちな、オチでないことは確かです! 旧洋館の奥様が、マジな悲壮感を漂わせて、張り○○を語る、、。どっひゃ~、ですねぇ。。ナチとか、小説の筋とか、、いろいろちりばめられて、胡散臭さたっぷりなのに、ちゃんと最後まで読ませちゃうのは、ホントすごいかも。


ところで、読んだ人にだけ分かる独り言ですが、つまり、Sはあの「2月」の名の元ナチの執事の子ってことですな? なんとも気の毒な、執事のお言葉。「私には 義務ではありませんでした。」うーん。お家騒動のひとつのタイプですね! 未亡人と忠実な執事の、恋。執事には恋心あったんでしょうが、奥様は。。その狂った主従関係が、特権階級のあった古い時代の意識からくる感性で、それがこの小説のゴシックの基盤ですね。


ジャンルとして、ミステリにくくりきれるかな?という気もしますが、こんにちのミステリは、ずいぶん広い範囲になってますね。 <事件>より、<人物>の、過去や人生や、精神や、感情、、などを解き明かすこことをも、<謎解き>と称してしまうのですから。下の書評でもありますが、ホントに型破りですね。








型破りな構成と巧みな語りが冴える大作  (東京創元社 書評より)


 2002年。ひとりの英国作家のデビュー作が、わが国翻訳ミステリ界の話題をさらいました。

 サイコスリラーを巧みな語り口で再構成して、読む者に斬新かつ多大な衝撃を与えたその作品『飛蝗(ばった)の農場』の著者、ジェレミー・ドロンフィールドです。

 そのドロンフィールドが、『飛蝗の農場』の翌年に発表した第2作が、『サルバドールの復活』です。『飛蝗』の中に、本書の内容に触れた訳者あとがきがありました。

「現在と過去が入り乱れ、手記や日記、さらには作中小説やコンピューターゲームのプロットや大学の試験問題文までもが挿入される構成」 (『飛蝗の農場』訳者あとがきより抜粋)

 語り手、形式の異なる、さまざまな種類の文章を、『飛蝗』以上に磨き抜かれた構成と叙述で読ませる物語の一大建築、それが『サルバドールの復活』なのです。



        *第1位 CSミステリチャンネル「闘うベストテン」/海外部門
        *第4位『週刊文春』「2005ミステリーベスト10」/海外部門






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最終更新日  2008年08月24日 00時49分21秒


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