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2010年02月18日
綾辻行人 『Another(アナザー)』
テーマ:
ミステリはお好き?(1563)
カテゴリ:
カテゴリ未分類
このミステリーがすごい
2010年版国内編 第3位
【感想】
内容紹介文を読んだ時から、早く読みたくて待ち遠しかった本でした。
待ちきれず、綾辻さんのこれまでの作品を読んでみようと『暗黒館』にチャレンジしたのですが、、。そちらよりも、断然本作の方が面白かったですね。『暗黒館』は最後まで読むと決めたから、辛抱して読みきった。本作は次が知りたいという思いでどんどん読めた。
同じ作者さんの本でも、随分と印象が違うものですね。
『Another』というのは、綾辻さんの愛する映画トマス・トライオン原作・ロバート・マリガン監督作『悪を呼ぶ少年』(原題”The Other”1972)とアレハンドロ・アメナーバル監督『アザーズ』(原題"The Others"2001)にインスパイアされてつけられたタイトルだそう。
アメナーバル監督の作品では、『アザーズ』が一番度肝を抜かれましたね。マリ監督の作品は未見。
Part1は、「What Why」。一体このクラスでは何が起こっていて、それは何故なのか?です。主人公の恒一が、話しかけたり見えたりしている少女を、クラスの皆は見えていないのか?まるでそこにいないかのように感じるのです。一体どうして、なぜ、なんなの?という気持ちでした。
Part2は、「Who How」。このクラスは、春になると机と椅子が1セット足らなくなる。何故ならいつのまにか生徒が一人増えている。でもそれが誰なのか、だれも気付かないらしい。 「誰が復活した死者なのか?」というのが、かなり怖いです。26年前から起こっている出来事なのに、それらの起きるシステムが誰もわからない。何故なら、事件を知っている筈の人間の記憶が、毎年卒業のころにリセットされ、紛れ込んでいた人物が消えると同時に記憶も薄れてしまうのです。
とにかく クラスの呪いが怖いですね。。
自分がこんなクラスに当たってしまったら、と思うというのが想像しやすくて、誰でもゾゾ~とくるのでは?
綾辻さんの本、これを機会に苦手意識が払拭されました。
【このミステリーがすごい より】
学園ホラー+本格ミステリー 綾辻行人の新たな代表作登場
ジュブナイルを除くと五年ぶりとなる綾辻行人待望の長編は、かつての「囁き」シリーズや『最後の記憶』を髣髴させる学園ホラーとなった。ホラーであると同時に、本格ミステリーのテイストが濃いのも作者らしい特徴だ。
東京を離れ、祖父母と叔母が住む夜見山市に越してきた榊原恒一だったが、急病のため五月の連休明けにようやく転校先の夜見山北中学に通い始めた。だが彼のクラス、三年三組には奇妙な緊張が漂っていることを感じ取る。恒一は病院で出会った美少女・見崎鳴(メイ)とクラスで再会する。恒一はメイに惹かれていくが、クラスメイトだけでなく教師までもが彼女を非在の者として接していることを知る。はたしてこのクラスにはどのような秘密が隠されているのか。
クラスの異様な行動と、あいつぐクラス関係者の死。そして過去の因縁が、四つの疑問視(What Why Who How)に象徴される謎に引っ張られる形で明らかになっていく。長さを感じさせない物語の推進力と強烈な読後感は、新たな代表作という作者の自負にふさわしい。
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最終更新日 2010年02月18日 21時52分32秒
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