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2010年10月12日
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テーマ: お勧めの本(8116)
カテゴリ: カテゴリ未分類



戦後の日本に生きたエネルギッシュな人物、松坂熊吾の人生です。

熊吾って、、名前もすごいですよね~。

この人は、四国の愛媛県南宇和の城辺という土地出身だそうですから、現在、大河ドラマ『坂本龍馬』も同じ四国の高知県土佐出身で動物の字の名前。原作によると、四国の辺は、子供が丈夫に育つように動物の名前をつけたそうだから、松坂熊吾も四国の人だし、やっぱりそういう風習なんだな~っと、読み始めに思いました。

以前から、読もうかな、どうしようかな、っと手にとりつつも”熊吾”という名前や、二転三転していそうなストーリー紹介に、食指が動かずでした。
しかし~、読んでみたら、期待以上でした!

熊吾が、敗戦後2年経った大阪の町に、郷里から戻り、また事業を興すところから幕が上がります。何処かから帰って来た早々、彼を、生まれたばかりの息子と影の薄そうな妻が迎えます。
家族を帰りみないで、戦後の日本をのし上がっていく男の話なのかと思いきや、、どんどん息子と妻の存在が強くなっていきます。
事業のことで飛びまわりながら、生まれたばかりの息子の手足指や、ほくろアザのひとつひとつを舐めるように点検したり、高価なアメリカのミルク粉を手に入れたりと、息子の成育に、どこまで本気なのか、と思わせつつ、50歳で初めて父親になった感慨が、だんだん深まっていくようです。

パワフルで濃い~個性の人ですが憎めません。

それでも、後半、妻の生い立ちや馴れ初めがわかって、この二人には間違いなく強い絆がありそうだと感じます。この妻:房江は、だまって耐えるだけの人ではなさそうです。とっても芯の強そうなのがだんだん解ってきます。厳しい生い立ちに裏打ちされた強さで、熊吾は浮気男ですけど、妻は別格って感じですね。

熊吾は、戦前随分羽振りのいい業界で一目おかかれた人物だったのに、今は、戦後の復興に出遅れて、焦ってます。やがて、事業の再興か、家族の健康か、選択を迫られるのですが、、。

とにかく、彼が常に、自問自答している内容が面白いです。いい名文がいっぱいでてる。
自分の子にも受け売りで言ってあげてもいいかも。というか、子にも読んだらと薦めたい。
日本のことや、戦争のこと、日本の軍人についての当時の人の感情、中国や韓国とのことや、親子のことや、、いいことがいっぱい書いてある。創価学会の宣伝文学とのことですが、、まあ、それはそれで抜きにして。
最近の情勢などで、中国や韓国にあんまりいい感情を持ってなかったケド、この本を読んだら、少し変わった。

自分はいかに生きるべきか、常に問いながら生きている感じ。
彼と家族がどこに向かっていくのか、目が離せません。



『流転の海』(るてんのうみ)は宮本輝の小説。宮本のライフワークとなる長編連作であり、1982年より現在まで5部が発表されている。1990年に森繁久彌主演で映画化された。


『流転の海 流転の海・第1部』        
『地の星  流転の海・第2部』

『天の夜曲 流転の海・第4部』
『花の回廊 流転の海・第5部』







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最終更新日  2010年10月16日 12時15分39秒


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