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◆「被災地に伝える」姿勢を茨城県の放送メディアについての問題を、見事にまとめています。
関東地方で、千葉県と並んで東日本大震災の被害が大きかったのは茨城県だ。大洗海岸などが津波に襲われ、死者数は22人に上った。JR常磐線は先月31日にようやく勝田駅以南で運転が再開。今月3日現在で約2万5000戸が断水中だ。
だが、震災発生初期にテレビに映し出されたのは、津波に襲われた東北地方の衝撃的映像と、帰宅困難者や停電など都心部の映像が主で、その間に位置する茨城県を目にする機会は少なかった。「被害は大きいのに、東京ではほとんど知られていない」という嘆きを、茨城在住や在勤の知人数人から聞いた。
茨城県に地元テレビ局がないことが、理由のひとつだろう。在京キー局系列だけでなく、千葉や埼玉のような独立UHF局もない。だから、NHKのローカル放送の時間帯を除けば、県内の被害を最優先に報じるテレビ局はなかった。と同時に、被災者が必要とする情報を最優先に伝えるテレビ局もなかった。「給水車がどこに来るなどの情報は、放送では地元のラジオに頼るしかない」と水戸市に住む知人は話す。
茨城県は在京キー局の放送エリアにあたる。ローカル局がない以上、地域住民の切実なニーズに応えられる民放は、キー局のほかにはない。そんな意識を、キー局には持ってほしかった。
在京キー局の初期の震災報道は「被災地から伝える」ことには熱心だったが、「被災地に伝える」姿勢が希薄だったのが残念だ。 (片山一弘)
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