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2009.04.10

脳がのうしようもない

(10)

カテゴリ：カテゴリ未分類

ある脳のことについて、何だか、思いついたのであるが、ここで書こうとして、しっかりその瞬間に書くことを忘れてしまい、老齢との厳しい戦いなのである。

この前本を読んでいたら、脳科学者が自分が左脳の言語野あたりの脳卒中になったときを記録したものが面白かった。どうなったかというと、言葉が出ないのは当然として、そのため考えをまとめることができなくなり、時間の順序がばらばらになったらしい。数字はミミズ、またはインクのしみに見え、電話も電卓も使えなくなる。それから、自分の身体の境界線があやふやになり、自分が接地している床や触っているものと、自分がどこまでがどこまでか分からない状態で、いわば、万能感のある赤ん坊と同じ状態になるといったものだろうか。宇宙と一体化してしまったんだろうなあ。しかし、時間感覚がなくなるちゅうことは、要は、今しかないってことだよね、てことは、コレ、短絡的に考えたら、仏教の、刹那だよね、スゲーネ。

でも、オリが言いたかったのは、３日前に話を戻した、自宅玄関まで１５メートル、クソ漏らし事件のことである。

脳から、肛門を閉める命令系統がいかないのか、あまりにも液状に近い便のために、肛門が閉まりきらなかったのか。
しかしながら、漏らしている状態以外は見た目、普通なのである。普通に歩き、普通に玄関の鍵を取り出し、一目散に家の玄関に向かって歩いているのである。しかし、頭の中では、激しく動いているのである、止まれ、止まってくれえ～と。
まるで、思考と肉体が別の幽体離脱状態というのか、こういうのを脳卒中というのか、こういうのを毒キノコ症候群というのか、という感じであった。
家に入るとタンタンと、しかし、急いでズボンと靴下を脱ぎ、それをビニル袋に入れて、靴などを拭き、シャワーを浴び、頭の中は、出来るだけ目の前に起こっている現実から目をそらそうと、明日の仕事のこととか、日本経済のこととか、財産のこととかを考えているのであった。

というのは、嘘で、２，３年前に大学の後輩と飲みにいったときに、彼は、出張先で漏らした話をしていたことを、他人事のように、思い出していたのである。

そのときも、同僚とベロベロヘベレケになり、エレベーターに２人して乗ったとき、急にもよおして、おもいきり脱糞したそうである。しかし、同僚も酔っているので、密室にも関わらず、気がつかず、片足から、便が漏れ始めているのに、後輩は、「じゃあ、明日、９時にロビーでな」とか普通の話題をしていたのである。しかし、頭の中では、止まれ～頼むから止まってくれ～といいながら、漏らし続けていたのであった。同僚も、全くきがつかないまま「それでは、また明日、おやすみなさい」といって、別れたというのだが、そのあと、明日着ていく服がないので、急いで、ズボン丸ごと、洗濯し、エレベーターを恐る恐る見に行ったら、さすがホテル、きれいに掃除が終わっていたようであった。ああには、なりたくない、と私は思ったのであった。
またかよ