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カテゴリ: 技術情報
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【テキスト】写真・表・図は省略

プレスリリース                        2011/9/30




元氣はうす
沖縄県宮古島市平良下里522-2
TEL 0980-73-6336
FAX 0980-79-8366
genki-house@coast.ocn.ne.jp


海水1.2倍濃度の水田、栽培実証実験
~ 微生物資材「Bio177」使用、20%増収の見込み ~


本年4月、津波により冠水した水田の除塩・栽培実証実験を開始した。
3月11日の津波直撃を受け、塩化分堆積で白くキラキラ光る状態であった。
栽培実証実験圃場の塩分濃度は、農業農村工学会(旧農業土木学会)東日本大震災塩害調査団による名取市閖上地区の約2倍(JAいしのまき 調べ)を示す「石巻市蛇田地区」を選定した。
「地下水における温泉水由来、塩素イオン軽減実験」(平成17年)をたたき台にして、農地除塩に関する基礎実験(平成23年3月)を行った。

微生物の代謝活動である「膜電位」「イオンポンプ」などの理論により、農地を回復させた。

 報道によれば、農地除塩について多くの手法が公開されている。
1.JA全農の手法    【塩分を洗い流す】
http://www.zennoh.or.jp/press/topic/PDF/20110329_1.pdf
2.福萬産業・日本大学工学部の手法    【堆肥中の好塩菌による塩分分解】
      http://unit.aist.go.jp/tohoku/new/topics/pdf/20110516compost.pdf
3.東京農業大学応用生物科学部 後藤逸男教授の手法【転炉スラグによる脱塩、ヘドロ除去】

http://jyoho.kahoku.co.jp/member/backnum/news/2011/07/20110709t15007.htm

などがある。

栽培実証実験(要旨)
1.土壌中の塩分(海水由来の塩化物)軽減のため、農業用水により洗い流し、濃度を下げた。
2.代掻き回数が多いと土壌環境を乱し、苗の活着が悪くなる。2回とし、3.5~5葉苗を推奨。

4.微生物資材「Bio177」は、水田に投入。葉面散布には、1,000倍希釈液を使用した。
5.微生物資材「Bio177」の使用量は、1ha当たり150?。 資材費用は12万円。
6.田植えは、約2週間遅れたが、収量は20%増収の見込み。(品種:ササニシキ)
1.実証実験に到るまでの経緯

 弊社は、那覇より南に300kmの離島に位置する。日常的に農作物は「潮風塩害」にさらされ、台風時に受ける被害は極めて大である。離島の特性から、「除塩」に対する研究は進んでいた。
 それらの研究成果は、NPO活動として公開し、環境・水質保全、農業、畜産、建築などの分野で利用されている。

 報道によれば、「除塩」に関して多くの手法が公開されているが、立地、宮城県等の情報から実験地の塩分濃度はそれほど高いと思われない。
実証実験の圃場主の 星 隆 様は、以前より弊社の微生物資材を使用され、その被災状況は深刻(名取市閖上地区の約2倍)であった。よって、実証実験地の適地であると判断した。

高濃度塩分農地からの回復実験データをもって、低い値の農地回復の成功率は高いと考える。

星 様 水田の時系列変化 名取市閖上地区
試験
番号 日 付 EC濃度
農業農村工学会
(旧農業土木学会)
東日本大震災塩害調査団 調べ

JAいしのまき 調べ
    ※ 稲作可能な塩素イオン濃度は、100 mg/100g


2.微生物資材「Bio177」による農地回復

 微生物資材「Bio177」は、6,600万個/m? の通気嫌気性の菌を保有している。
  【内 訳】   (資料 6 参照)
乳酸菌      4,700万個/m?
    一般細菌     1,900万個/m?
    酵 母          2.2万個/m?
※ 光合成細菌は、JISによる分析方法が確立していないため、一般細菌としてカウントした。

 1.微生物の代謝活動(膜電位、イオンポンプ、イオンチャンネル)に着目した。(資料4 参照)
 2.土壌の物理性低下(資料 5 参照)に注意した。
 3.ナトリウムイオンの圃場外排出。

農地を回復させるにあたり、海水の影響を低減させることから始めた。24時間湛水・排出をくり返すことにより、塩化物の浸透圧を利用した塩分濃度低減を行った。
 代掻き回数が多いと土壌粒子にナトリウムイオンが吸着し、離れづらくなり、透水性の悪化、酸素不足や除塩効率低下を引き起こすため、表層と下層を返す意味で2回とした。
 生育環境の悪化から苗の活着が悪くなると想定し、3.5~5葉苗を使用した。
 ナトリウム除去に関しては、微生物資材「Bio177」を使用した。微生物の代謝活動であるイオンポンプ、イオンチャンネルに注目し、塩素イオンは93%。ナトリウムイオンは90%放出される  ことを確認した。
放出された塩素イオンは大気に放出され、ナトリウムイオンは微生物資材「Bio177」に含有されているカルシウムを主体とするミネラル群により置換される。微生物により生成された有機酸により、クラスターが小さくなり流亡し易くなる。また、土壌のナトリウムイオン濃度が高い場合には、カルシウムを投入した方が安全度は高くなる。pHの上昇は一過的であり問題とならない。
 除塩作業において、完全にナトリウムイオンは除去出来ない。茎・葉にナトリウムイオンが取り込まれた場合、生育が悪くなり、病気・害虫等への抵抗力が不足する。葉面活性を高めるため、微生物資材「Bio177」1,000倍希釈液を散布する。葉表より葉裏の気孔からの吸収度は10倍と云われている。

3.有機物・ヘドロの分解除去および消臭

微生物資材「Bio177」は、有機物分解、海浜ヘドロ分解実験(平成23年2月)を行った。


施工前 施工後

4.下水汚泥中の重金属類 除去
微生物資材「Bio177」使用開始6か月後との対比(資料 7、8 参照)

資 料

1.津波による農地への影響
 津波による農地被害は、大量の海水が浸入・浸透することによる土壌塩分の増加である。塩化物イオン濃度やEC(電気伝達度)が極めて高くなる。
 海水は塩分(約3.4%)を含むため、多量の塩化ナトリウムだけではなく、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、硫酸イオンなどを供給する。
 土壌水分の浸透圧が高まるため、作物は水を吸収しにくくなり塩害が発生する。
 さらに、土壌粒子はマイナスの電荷を持ち、海水に含まれる陽イオンを吸着する。土壌に吸着していたイオンとの間で交換反応が起こり、ナトリウムイオンとマグネシウムイオンの割合が高くなる。
 ナトリウムイオンが多く吸着した粘度(土壌)は水に分散し易くなり、土壌の団粒構造を破壊し、分散した土壌粒子は土壌の間隙に詰まり透水性を悪化させ、作物の根域の酸素不足や除塩(圃場に真水を灌水し、塩分を溶脱・除去)の効率低下を引き起こす。

海水成分
出典:理科年表 平成18年版 国立天文台 編 より

2.塩害の要因
 作物の塩害要因は、次の原因が考えられる。
1.浸透圧ストレスによる水分吸収障害
  2.ナトリウムイオンによる害
  3.浸透圧とナトリウムイオンの害が複合的に影響 (影響の程度は植物種により異なる)
4. 塩化物イオンによる害 (塩化物イオンが塩害の主因とみられる植物は少ない)

★ 水稲の場合
 イネの耐塩性は、作物中では弱いランクである。が、品種間での変異は大きい。
 栽培実験では、地上部の生育量は、地上部のナトリウム濃度が高いほど大きく低下した。
 カルシウムを添加すると、イネのナトリウム吸収は抑制され、その量にほぼ比例して生育阻害が緩和した。
 このことから、イネの塩害は高浸透圧による水分吸収阻害とナトリウムの害が複合的に影響したと考える。

★ 畑作の場合
 施設栽培などで散見される高いマグネシウム環境では、根の機能障害が認められる。
 土壌の可給態マグネシウムが高まると作物のカルシウム吸収抑制が起こる。

3.津波堆積物(ヘドロ等)の害
 津波は、農地表層に土砂・ヘドロ様の海底堆積物を連行させる。これらは多量の塩分・硫化物を含有し、作物の生育環境を悪化させる。
ヘドロ様の海底堆積物は、透水性が悪く灌水による除塩作業の能率低下を誘因する。
硫化物は、海水中の硫酸イオンと低酸素状態が伴って、硫酸塩還元細菌の働きにより硫化水素を生成する。
多くの硫化水素は、土壌中の鉄により難溶性の硫化鉄になり無害化されるが、鉄含量の乏しい土壌環境では硫化水素や硫化物イオンが遊離し、水稲根の養分吸収阻害・根腐れなどの生育障害を発生させる。

4.膜電位・イオンポンプ・イオンチャンネル

 細胞膜は、外界と細胞内部環境を整えるために必要である。微生物(細菌)は動物とは違い、口、消化器官、排出器官を持たない。内外のイオン組成の差において、細胞膜内外の電荷の差となる。
 イオンポンプは、ATP(アデノシン三リン酸)等のエネルギーを得ることにより、細胞膜内外のイオン差に関わらず一方通行のイオン輸送を行う。
 イオンチャンネルは、内外のイオン濃度の差において、高い方から低い方へ移動させる。


イオンポンプの模式図
イオンチャンネルの模式図

5.土壌の物理性低下

 団粒構造が破壊されることにより、透水性が悪化する。
また、土壌粒子の構造変化により、強度が低下する。

6.微生物資材 「Bio177」 分析


7.下水汚泥中の重金属類(微生物資材 使用前)


8.下水汚泥中の重金属類(微生物資材 使用開始 6か月後)







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最終更新日  2011.10.07 22:32:23
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Re:微生物資材「Bio177」による農地除塩 プレスリリース2011.9.30(10/07)  
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(2011.12.23 15:12:34)

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