日々、考察中。

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同窓会!

同窓会!

2004/8/16
 8月14日に中学時代の同窓会があった。
 3年ぶりの開催で、僕は4年ぶりに出席した。3年前は、夏の連休が仕事でつぶれてしまったのだ。さらに個人的大事とも重なっていた。だから欠席となったのだが、それまでの同窓会にはほとんど出席していた。
同窓会の再開を促した幹事がしっかりしていたのだろう。その時に、同級生の消息を可能な限り追って調べて、名簿にしたのだ。それが6,7年前で、それから3回ほどは連続で開催された。初めの開催時、出席率は半数程度だった。女子は結婚して子育ての時期である者が多く、男子は遠くにいて参加できない者が多かった。年々、メンバーを変えつつ、変わらないメンバーもいつつ、進んできたのだ。そして、今回の開催には、20人弱が集まる事になっていた。

 通っていた中学校から、車で数分のところにある、"観光やな"で開催された今回の同窓会は、参加人数を調査するはがきに、午後5時開始と書いてあった。僕は実家を午後4時半に出て、アルコールは初めの1杯のつもりでスカイラインを走らせた。観光やなには15分後に到着し、あいている駐車場に車を止め、入り口を目指した。すると、僕の車よりも入り口に近い場所に止めてあった軽自動車から、同級生のMOが女の子を連れて出てきた。女の子は小学校に入学する前ほどの年齢に見えた。僕がMOに向かって手を上げると、すぐに彼は気付いたようで、「おっす!」と返事を返した。僕らは子供の話などをしつつ、並んで観光やなへの坂を下っていった。
 誰も来ていないようだったので、MOが川原に下りて娘を遊ばせると言った。僕もそれについていき、川の浅いところで遊んでいる女の子を見つつ、「久しぶりだなあ。」、と話をした。すぐに午後5時は来たが、坂の上にある観光やなの建物の付近にそれらしい人の姿はなかった。MOは娘がいたため、僕が見てくるといって坂を登ったのは午後5時過ぎだった。坂の上に辿り着くと、懐かしい顔が2つあった。実家がきわめて近いYH(女子)と、TNだった。YHは苗字が変わってYSとなっているらしいが、僕にとってはYHである。小さい女の子を抱っこしていた。「久しぶりー。」などと言いつつよって行ったら、すぐ横にYHの母親がいる事に気付いて、僕はあわててあいさつをした。実家が近いから、小さいころからよく知っているのだ。「H君?すぐにはわからなかったよー。」と言われて、照れ笑いをしつつ、僕は川原で遊んでいるMOに声をかけた。すると、坂をあがったところにある駐車場から、坂を下ってくる何人かが見えた。MS(女子)とKT(女子)で、その後ろには男子集団がいた。HK、SAH、MF、SEH、らで、幹事のKMがいない。僕らはあいさつを交わしながら、「幹事が遅れるとはどう言う事だ。」と言いつつ、KMに電話をした。「もうすぐ到着する。」と電話口で言うKMに、先に座っている事を伝え、僕らは建物の中に入った。
 会場がこの観光やなになったのには理由があって、先ほど来た集団の中の1人、MFの親が経営しているのだ。僕らはテーブルにつくなり、「今日はMFに招待されたんだよな?」と言い、速攻でビールを注文した。ビールを運んできたのはMF本人で、「おれが手伝ってまけてもらうから、勘弁してくれ。」と言った。その時点で、SM、TT(女子)、CH(女子)、MA(女子)、MT(女子)、などが加わり、人数は男子8人、女子8人になっていた。参加出来ると返事をしてきた人の全てが集まったわけではなかったが、手元に届いたビールが"待つ"という感情をすっかりなくしてしまい、僕らは勝手に乾杯をして、それぞれが飲み始めた。
 3年4年という年月はかなり長いものであると感じていたが、実際はそうでもなかった。それどころか、10年という年月さえ、中学校3年間という記憶は打ち消してしまうものであるようなのだ。僕らはそれぞれによく話し、それぞれによく笑った。あとから参加してくる者も多数いたが、みんな分け隔てなくよく話した。普段付き合いのある者も何人かはいるようだが、ほとんどは実家を離れて暮らしており、だから、何年ぶりというレベルのものが多いはずなのに、である。僕らは中学校という時期の大切さを話ながら、ビール片手に笑った。
 ある程度の年齢を過ぎると、男女が集った酒の席での話題は男女関係の事になるようで、結婚の事や恋愛の事について話した。MFは酒が入ると普段から饒舌なのに、拍車がかかるようで、自分中心の恋愛理論を大声でまくし立てた。他のテーブルにいた僕の横にいたMA(女子)が、「酒が入ってくどいのは、おじさんになった証拠だよね。」と言った。僕は笑いながらうなづいた。
 塩焼きの鮎が届いたころには、みんなすっかり良い気分になっていて、宴もたけなわといった感じになっていた。同じテーブルにいたYH(女子)が、「焼いた鮎って、骨を抜いちゃう方法があったよね?」と言った。僕はその方法を知っており、得意技でもあった。"できるよ。"と言おうとした時に、隣のMA(女子)が口を開いた。「H君は出来るよね。」H君とは僕の事であり、MA(女子)は中学3年生の時にずっと隣の席であった女の子だ。当然というか、どうなのか、その当時僕は、彼女の事が好きだった。MA(女子)の問いに、僕は質問で返した。「なんでおれが出来ると思う?」「だって、H君は何でも出来るってイメージがあるもん。運動も勉強もトップクラスだったでしょ?」僕はかなり照れながら、テーブルの上にあった6匹の鮎全ての骨をきれいに抜いた。
 「では2次会に行こうか。」という声をあげたのは、幹事のKMで、同時に会費の集金があり、思っていたよりもずっと安い金額が集められた。どうやら、ここを経営しているMFのおやじさんの心遣いらしい。僕らは彼のおやじさんと従業員のみなさんに礼を言って拍手をし、駐車場へ向かった。しばらくウーロン茶を飲んでいた僕は、少し休めばしらふ同然だった。明日の朝は、早くから実家を後にしようと思っていたので、帰るつもりだった。しかし、回りの強引な誘いで2次会のカラオケに行く事になった。まあ、当然といえば当然の流れだった。
 大多数が車を運転して来ていたが、何台も連なって飲酒運転をする事はないと言う事になって、比較的酒量の少なく、大型の車に乗っている者が運転手となった。3台の車で十分の人数だったため、2台は初めからウーロン茶だった者の車となり、1台はビール1杯のんだSHとなった。僕はSHのグランドハイエースの真ん中の列の真ん中で、隣にはYH(女子)とKT(女子)が座った。両手に花のベストポジションだったが、YHは子供を抱っこしていた。
 何事もなくカラオケに到着した3台は、幹事のKMが受付に辿り着く前に受付を済ませていたMFによって部屋へ導かれ、飲む人数を考えずに注文された10杯ほどのビールに囲まれながら歌った。あまり曲を入れるものがいなくて、間があいたりしたが、それでも2時間はあっという間に過ぎて僕らは外に出た。
 帰宅するものと、3次会に行くもの2方向にわかれ、帰宅組のSHのグランドハイエースの助手席に乗った僕は、観光やなで待つスカイラインに向かった。
 帰りのグランドハイエースは、僕と運転手のSHとSMの他は、4人の女子で、いろいろな話をしながら走っていった。僕は現在の状況をさんざんからかわれつつ、中学校時代の仲間っていいなと思った。観光やなに到着するまでに2人の女子を家の前まで送ったSHのグランドハイエースは、僕とSMとKT(女子)を観光やな駐車場で降ろして、去っていった。僕らは別れの挨拶を交わして、それぞれの車に乗りこんだ。初めに走り出したのはKT(女子)のステップワゴンで、すぐ後にSMのセドリックが続いた。
2人の車のテールランプがコーナーの向こうに消え去ってから、僕はゆっくりとクラッチを繋げた。


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